もしもの話

□チャイルドプレイ(R)
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※ちょっとグロっぽい描写あり。苦手な方はご注意下さい。






「はい、あーんして」
「……」
「オラ、口開けろよクソ虎徹!」

あまり座り心地のいいとは言えない椅子に拘束され、その口元にスプーンの先を突き付けられた虎徹は己の迂闊さを呪った。
セブンマッチ後、行方をくらましたジェイクは死んだものと思われていたが、突然虎徹の前に姿を現したのだ。
油断していたとはいえ、あっさりと敵の手に落ちた自身のふがいなさに彼は唇を噛んだ。

「…てめェ」
「だーかーらー、お前が俺様に適うわけねーっつーの!」

確かに、すでに能力を使い果たした虎徹に勝機はない。
今はただ、この状況を受け入れるより他に術はないのだ。

「さあ、ディナーと洒落込もうぜ」

この店もアジトの一つなのか、2人以外誰もいないレストランの店内にジェイクの薄ら笑いが響き渡った。


後ろ手に縛られた腕を動かしてみるが、ピクリとも動かない。
抵抗するだけ無駄かと諦めた虎徹は、できるだけ相手を刺激しないよう無表情を装う。

「さあ虎徹よぉ、腹一杯食ってくれ」
「…ふざけんな。こんな状態でどうやって食えってんだ」
「ああ、悪りィ。悪りィ 」

冷めた笑みを浮かべたまま、虎徹の正面に陣取ったジェイクはいきなりスープ皿にスプーンを突っ込んだ。
そしてそのままかき混ぜると一さじ掬い、虎徹の口元へと運ぶ。

「喜べ。俺が食わせてやるよ」
「ふ、ふざけ…ぐっ‥」

怒鳴りつけようとした矢先に鼻をつままれ、虎徹は激しく身を捩った。

「はな‥せ‥!」

椅子がガタガタと不安定に揺れる。
ニヤニヤ笑いながらも、ジェイクの指先の力が緩むことはなく、次第に息苦しくなった虎徹は喘ぐように薄く口を開いた。

「んぐっ」

途端にスプーンが押し込まれ、生温いスープの味が口一杯に広がる。
虎徹は口に含んだそれを嚥下することなく、ペッと床に吐き出した。

「‥おいおい、マナーがなってねェな」
「お前にマナーが分かるとは思わねえよ。ふざけんのも大概にしやがれ!」
「スープは口に合わなかったか?」
「…いいから、さっさと俺を解放しろ」
「フッフッフッ、まったく生意気な子猫ちゃんだなァ!」

言い終わらないうちに今度はジェイクの大きな掌に顎を掴まれ、虎徹はにやけ面を睨みつけた。
目の前の男はまだ、この余興を終わらせるつもりはないらしい。

「ぐっ‥」

ギリギリと締め上げられ、痛みに顔が歪む。
先程と同じく押し込まれた液体は今度は吐き出すことを許されず、喉の奥へと消えていった。

「…ん…」
「美味かっただろう?虎徹ちゃん」

口の端から零れ落ちる滴をジェイクが舌で舐めとって、妖しく笑う。

「んな瞳で見んなよ。ソソられちまうじゃねェか」
「…変態野郎め」

だがな、カチャカチャとスプーンをかき回しながらジェイクは言葉を続ける。

「まどろっこしくていけねェ。俺としちゃ、さっさと食って欲しいんだが」
「つくづく会話のできねェ野郎だな。俺は解放しろと言ったんだぜ」

虎徹は怒りを込めて、ジェイクを再度睨みつけた。

「もう一度言う。俺を解放しろ」
「ああ、そうだ」

虎徹の言葉など気にも止めていない様子で、ジェイクは不意に真顔で彼に向き直った。

「てめェが素直に食わなきゃ、お前の大事なお嬢ちゃんをバラバラに刻んでスープにぶち込むってのはどうだ?」

ジェイクの言葉に虎徹の怒りが激しくなった。

「大好きな娘のスープなら、てめェの口に合うんじゃねェか?」
「…マジでふざけんな!」

口には出さない彼の怒りの感情を読み取り、ジェイクは口元を歪める。

「そうそう、兎のスープってのもいいかもしんねぇな!」
「‥もう黙れよ下衆野郎」
「そのツラいいねえ。ヒーローとは思えねぇわ」
「……」

真っ直ぐにジェイクを見つめたまま、不意に虎徹は低く笑った。

「変態野郎よりはマシだろ」

そして、さっさと食わせろと挑むように口を開いた。

「…おい、言葉には気ィつけろよ。本気で殺しちまうかもしれねーぜ」
「……」

誰をとは言わず、ジェイクは黙ってスプーンを彼の口へと運ぶのだった。


運ばれた食事があらかた片づくとナプキンで口元を拭い、ジェイクはテーブルの上の食器を派手に床に叩き落とした。

「さあ、デザートの時間だ!」

ダン!と勢い良くテーブルに飛び乗った彼を虎徹が訝しげに見上げる。

「おら、口開けろ。極上のデザートだ」
「……バカ言え。今まで生きてきた中で最悪のデザートだ」
「フッフッフ。歯ァ立てんじゃねェぞ」

目の前に晒されたジェイクのモノは既に立ち上がっている。
ここまで来て拒むのももう、馬鹿らしい。
そんな、半ばヤケクソな気分で虎徹は口を開いた。

「反抗的なのもクるが」
「んぐ‥ん…」
「素直なお前も悪くねェな」

いきなり喉奥まで激しく突かれ、えづきそうになるのを必死で堪える。

「‥んむ…んッ‥ぐぅッ」

前髪を鷲掴みにしたまま、荒い腰使いでジェイクは虎徹の口の中を夢中で犯し始めた。

「‥んッ‥んッ‥」

ズチュ、ズチュと先走りと唾液にまみれたぺニスが薄い唇を出入りする様はジェイクを酷く興奮させる。

「‥たまんねェぜ」

涙目で睨みつける虎徹の視線が更に欲情をソソるのだが、当の本人は気付いていないだろう。

「‥んんッ‥んぐ‥」
「あ‥はあッ‥」

絶頂が近づいたのか、始めた時同様、乱暴にペニスを引き抜いたジェイクはそのまま欲を解放した。

「‥くっ‥」

避けることも適わず、咄嗟に目を閉じた虎徹の端正な顔にドロリとした白濁が掛けられる。

「フッフッフッ!よーく味わいやがれ、クソ虎徹!」
「…!」

たちまち雄の匂いが充満し、吐き気を覚える。
流れ落ちる液体の気持ち悪さといい、最悪の気分だと虎徹は思った。

「…気は済んだか?この変態野郎」

ふざけた茶番はお終いのはずだった。
だがゆっくりと開いた目の前で、男はイヤらしい笑みを浮かべたまま前髪から手を離そうとはしない。

「これで終わりな訳ねェだろ」

ニヤリと笑う瞳の奥は狂気の色を帯びていて、虎徹はゾッとした。

「こんなんで満足するわけねーだろ、ああ?」
「なッ‥」
「お前、気に入ったわ。お気に入りの玩具を俺様が手放すと思うか?」

これからたっぷりと時間をかけて、飼い慣らしてやる…。

まるで愛を囁くように告げられたジェイクのセリフを、虎徹は絶望と共に受け入れるより他に術はなかった。










※別ジャンルで書いた話をタイバニで書き直したらこうなった。なんか、いろんな意味ですいません…。


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