お仕置きシリーズ

□お仕置きタイム3(R)
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きっかけなんてどうでもいいし、何でもよかったのだ。
ただ、彼に触れることが出来さえすれば。
口実なんていくらでも作ればいいのだから。



お仕置きタイム3(R)



今日のはいただけなかったな、と愛車のハンドルを握りしめながらバーナビーは隣の虎徹の様子をうかがう。
彼は車に乗り込んでから一言も口を聞かずに黙りこくっていた。
先ほど無理に口移しで飲ませた薬の効果か、はたまたバーナビーへの恐れなのか、無表情に外を見つめる外観からはその内心を知る術はない。

「虎徹さん、先ほどの女性の方、綺麗でしたね」
「…だから、俺のファンだっつってんだろ」
「あなたに女性ファンとは珍しい。その割には親しそうでしたよね」
「お前だってファンの子には優しいだろーが。ファンサービスってやつだよ」
「僕と待ち合わせだって分かってて?」
「それは…」
「ああ、あれはわざとなんですか?僕がヤキモチを焼くと知っててわざと」
「ちが、」
「あなた、そんなにお仕置きされたいんですか?」

冷えた口調でそう告げれば、ルームミラー越しに見た虎徹の瞳はたちまち大きく見開かれた。

「ち…がう。バニー」

慌てて弁解しようとする彼を遮って、バーナビーは前を見たまま微笑む。

「今からの行き先をあなたに選ばせてあげます。僕の家、それともあなたの自宅?たまには趣向を変えてホテルってのもいいかもしれない」
「…ッ」
「さあ、どこがいいですか?」

有無を言わせぬ口振りには虎徹に拒否権など存在しない。

「…お前んちでいい」

唇を噛み締めた虎徹が小さくそう答えると、満足そうな表情を浮かべてバーナビーはアクセルを踏み込んだ。




「僕も後から行きますんで、先にシャワーをどうぞ」
「…分かった」

もう、何度も訪れて慣れ親しんだはずのバーナビーの自宅に虎徹はいつも緊張を強いられる。
なぜ拒めないのか…自問自答を繰り返しながら、今夜も彼はバスルームへと向かった。

「ん…」

浴槽内に湯を張ると、シャワーで手早く体を洗い流す。
自宅のものよりはるかに広い湯船に浸かりながら、虎徹はゆったりと手足を伸ばした。


(こいつんちの風呂だけは気持ちいいんだよな…)

情事の後に入るといつも眠ってしまいそうになるくらい心地良く、それだけは虎徹のお気に入りだ。

「虎徹さん、入りますよ」

まどろみの最中にいきなり外から声がして、彼は体を強ばらせた。

「ちょっと待てよ!今出るから!」

慌てて湯船から上がろうとするが、すぐに扉が開き止める間もなくバーナビーが中へと入ってきた。
軽く肩の辺りを押された虎徹の体がバシャン!と派手な水音を立て、再び浴槽内に沈む。

「どこへ行くつもりですか?」
「…ベッドで待ってりゃいいんだろ」
「誰が先に上がっていいって言いました?僕も後から入る、って言いませんでしたっけ?」
「…ッ…好きにしろ」

口角を斜めに上げ、じっと見つめるバーナビーの視線に耐えかねて、虎徹は俯いた。
やがて、体を洗い終えたバーナビーが正面に腰を下ろす。
成人男性二人が入っても余裕なバスルームが今の虎徹には恨めしかった。

「…そんな物欲しそうな顔で見ないで下さい」
「だ、誰が!」
「疼いてきませんか?」

不意に伸びてきた右手が虎徹の脇腹をなぞり上げ、左の乳首をキュッと摘む。

「くっ…何を…?」
「そろそろ効果が現れる頃かと思って」
「…ん、やめ」

車中で飲まされた薬のことを思い出した途端、虎徹の体が熱を帯び始めた。

「欲しくなったら遠慮なく言って下さいね」

優しい口調で囁くバーナビーの瞳がじっと虎徹を覗き込む。
眼鏡を外した翡翠の色に直接見つめられると、ますます火照りがひどくなったようで虎徹は唇を噛んで下を向いた。
その視線の先で、立ち上がりかけた己自身が目に入る。

「あ、…」

バーナビーの指先がコリコリと胸の突起を弄ぶ度に下半身に刺激が走る。

「どうしました?」
「くっ…」
「ここ、勃ってきてますよ」
「ヒッ!」

言うなり、固くなった性器をバーナビーの足指でなぞられ虎徹は掠れた悲鳴を上げた。

「バニー…」

薬の効果か、荒い息を吐き始めた虎徹が懇願するようにバーナビーを見上げる。
すっかり形を変えた彼のモノから足を離すと、バーナビーはバスタブにもたれて笑いかけた。

「あとはご自分でどうぞ」
「な…んで」
「ちゃんと見ててあげますから。さあ、虎徹さん」

どれだけ待っても触れてはくれないバーナビーにじれた虎徹が、おずおずと己自身に手を伸ばす。
震える右手で擦り上げるともう、歯止めは利かなかった。

「ん、は…ぁ…」

音響の良いバスルームに虎徹の喘ぎ声が響き渡る。

「…んんッ…あぁ…」

バーナビーの視線を感じながら、少しでも早く終わらせようと夢中で彼は両手を動かした。

「ん、ん、くッ、あ゛あぁッ!」

やがて腰から下半身にかけて激しい衝撃が駆け抜け、虎徹は絶頂を迎えた。

「は…あぁ…」

ドクリと勢いよく出された液体が風呂の湯を白く濁らせる。

「まだ、物足りないでしょう?」
「…バ、ニー?」

虎徹の痴態を楽しんだバーナビーはまだ快楽の余韻を残すその体を抱き寄せると、膝の上に座らせた。
そして、後ろに回した指をおもむろに後孔へと突き刺す。

「やめ…」

温まり、柔らかくほぐれたそこはバーナビーの指を難なく受け入れる。

「嫌がる割には嬉しそうにヒクヒクしてますよ、あなたのココは」
「くっ…!」

グルリと中で円を描くように刺激されると、虎徹のモノは再び頭をもたげ始めた。

「そろそろ本番いきましょうか」

虎徹の答えも聞かないうちに猛ったバーナビーの性器が押し当てられる。
次にくる衝撃に備えて自然に体の力を抜いた虎徹に満足げな笑みを浮かべて、バーナビーは彼の中へと押し入った。


「はっ、はっ…はあ…ッ」

向かい合わせのまま、バーナビーに突き上げられた虎徹の体が揺れる。
その度に湯船の湯がチャプン、チャプンと音を立てて波立った。

「ねえ、虎徹さん」
「…ん、だよ!」
「あなたに飲ませた薬、ですけど」
「…ッ…それが…あッ…な…に」
「あれ、ただのビタミン剤なんです」
「なっ…」

呆然とした顔が見る見るうちに憤りに歪む。

「乱れるあなた、可愛かったですよ」

意地悪く笑うバーナビーの腰の動きに翻弄されながら、虎徹は彼を睨みつけた。

「お、おまえなんか…」
「僕、なんか?」


泣きそうになりながら、声を詰まらせる虎徹にバーナビーが先を促す。

「嫌いだ。そう言わないんですか?」
「…言えるわけ、ねーだろ」

バーナビーは震える声で答えた虎徹の耳元に唇を寄せた。

「愛してますよ、虎徹さん」

耳朶をくすぐる甘い言葉に、ちくしょう!と呟き、虎徹は広い背中に両手を回した。










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