お仕置きシリーズ

□お仕置きタイム11(R)
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その日は朝から立て続けに単独取材が入っていたため、バーナビーがアポロンメディア社に戻った時には時計の針はとっくに12時を回っていた。
虎徹も、もう今頃は昼食を取りに出かけてしまったかもしれない、そう思いながらオフィスへ急ぐ。
早足で廊下を歩いていると、ちょうど当人が部屋から出てくるところだった。

「あ、虎徹さん。どこへ行くんです?ランチですか?」

バーナビーに気づいた彼は口ごもりながら、「ちょっと呼び出し」とぞんざいに答えた。

「誰からです?」
「…誰でもいいだろ」

何か気に入らないことでもあったのだろうか。
虎徹がこんな風に投げやりな言い方をすることは滅多にない。
だが…。

「ねぇ、オジサン」

スーッと眇められた目つきに、虎徹はその身を竦ませた。
そんな彼の様子を見て、バーナビーは口元にひっそりと笑みを湛える。
かすかに震える耳元に唇を寄せれば、虎徹の体はますます強張り後ずさった。

「そんな口をきいて、後でどうなっても知りませんよ」
「…ッ…」
「誰に呼ばれたんですか?」

有無を言わさぬ強い口調にバーナビーの怒りが感じ取れる。

「…ロイズさんだよ」

渋々口を開いた虎徹をバーナビーはあっさりと解放した。
上司からの呼び出しなら仕方ない。
この機嫌の悪さもそれならば納得できる。

「それならそうと、最初っから言えばいいのに」

後ろ姿を見送りながら、肩を竦める。

「ちょっと飴を与えすぎたかな…」

飴の次は鞭を…そう独りごちて、バーナビーはオフィスの中へと消えていった。


    ***


その夜、虎徹はいつものようにバーナビーの自宅に夕食に招かれた。
だがしかし、警戒する彼が拍子抜けするほどバーナビーの態度は友好的で。
勧められるまま杯を重ねた虎徹は、気づけばすっかり酔っぱらってしまっていた。

「ん…」

いつの間に眠ってしまったんだろう。
ついウトウトと微睡んでしまったと、慌てて目を覚ました彼はギョッとした。
体の自由が奪われ、身動き取れなくなっている。

「なっ…」

全裸に剥かれた体は後ろ手に縛られ、寝室のベッドに転がされていた。
またその上ご丁寧に両足は膝で折り曲げられた状態、いわゆるM字開脚とやらで固定され、閉じることができなくなっている。

…全て晒け出している。

そう気づいた途端、虎徹の全身がカッと熱くなった。

「お目覚めですか?」

視線を感じて、声の方角を睨みつける。

「いい格好ですね」
「…お前がやったんだろーが」
「そうでした。でも…」

―お似合いですよ、オジサン。

近づいてきたバーナビーが右手をかざす。
その手中にあるものを確認した虎徹は、蒼白になりながらきつく唇を噛んだ。


   ***


ヴーン、ヴーンと小さな羽音のような音を立て、ローターが虎徹の体を這い回る。
勃ち上がった両の乳首、脇腹、押し当てるたびに体がピクリと震えるのをバーナビーは楽しげに眺めている。

「んッ…」

声を殺す虎徹をからかうように強弱をつけ、繰り返し微妙な快感を与えてゆくと快楽に弱い体はすぐに熱を持った。

「こんなのが気持ちいいんですか?」
「…るせー…ッく…」
「ほら、もっと強い刺激が欲しいっておねだりしてますよ」
「ふざけ…な、あッ…!」

憎まれ口を叩こうとした瞬間、緩く勃ち上がりかけていたペニスにローターを押し付けられ、虎徹は悲鳴を上げた。
たまらず反り返った体が次にベッドに沈み込む。

「…ぁあッ!」

直接的な刺激にひとたまりもなく、虎徹は最初の精を吐き出した。

「あ…ハァ…ハァ…」
「もうイッたんだ。ちょっと早すぎません?こんなんじゃ、体保ちませんよ」

ぐったりとうつろな瞳がバーナビーを見つめる。

「まさか、これで終わりだなんて思ってないでしょうね」
「…え?」
「それじゃあ、お仕置きにならない」

口元を歪ませたバーナビーに、初めて虎徹は怯えた表情を見せた。

「バニー…?」
「前に言いましたよね?躾には飴と鞭が必要なんだって」
「なに言って…」
「ああ、あなたあの時、寝てましたっけ?」

―今日は鞭を与える日なんです。

そう言って、バーナビーは濡れそぼった虎徹のペニスに再びローターをあてがった。



「も…やめ…」

何度射精を繰り返しても、バーナビーはローターでの刺激をいっこうに止めようとはしない。
むしろ、快楽というよりは苦痛を与えて楽しんでいるようだ。

「あッ、はぁッ…」

拘束されているため逃れることのできない虎徹のペニスに、陰嚢に、ローターを滑らせては無理矢理に絶頂を与える。

「もっ…や…ゆるし…て」

もう出ない、無理だと虎徹が啜り泣きを始めた頃に、ようやくバーナビーは手を止めた。

「じゃあ、僕が欲しいって言ってみて」

覆い被さるようにして己の昂りを押し付けながら、虎徹に問いかける。

「…やぁッ…く…んッ」
「嫌だって言うのなら続けます」
「あ…」

再び響いてきた機械音に虎徹は力なくかぶりを振った。

「僕を受け入れない限り、お仕置きの時間は終わりませんよ」

絶望と快楽に沈んだ暗い瞳がぼんやりとバーナビーを見上げた。

「…バニー…の、くださ…い…」
「どこに?」
「お、おれの…、ケツに…」

涙が一筋、頬を流れ落ちる。

「たのむから!…お、おまえので…ッ…おれを、ぐちゃぐちゃにしてくださいッ!」

ボロボロと涙をこぼし続ける虎徹をいたわるように抱き締め、バーナビーは口づけた。

「よくできました」
「ンっ…ふぅ…ッ…」

やがて、バーナビーのモノが虎徹の中へと侵入してくる。

「…ッ…ぁあッ!」
「素直な虎徹さんは大好きですよ」

ゆっくりと腰を前後に動かしながら、バーナビーは何度もキスの雨を降らせた。


いつしか二人は息荒く、共に絶頂を目指し駆け上がってゆく。

「虎徹さん!虎徹さん!」
「…んッ、バニー…」

支配する者とされる者、いつかそんな立場を超えて求め合うことができるかもしれない。

拘束を解いた虎徹の腕が背中に回されるのを感じながら、バーナビーはそんなことを考え微笑した。





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