長編

□笑ってたいんだ 4
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結局、虎徹とバーナビーがアポロンメディア社に到着した時には既に二時間以上も出社時刻をオーバーしていた。
正面入り口を入るなりオロオロとその場を歩き回っていた上司のロイズは神経質そうな顔を更にしかめ、二人を出迎えた。
事件後、バーナビーが遅れる旨の連絡を入れていたので、恐らく彼の心配は今日のスケジュール変更が主なのだろう。

「二人ともケガはないでしょうね」
「大丈夫です。すいません、ご心配おかけしました」
「すんませんっした」

詫びるバーナビーの横で虎徹も頭を下げる。
二人を一瞥し、はあ、とため息をついたロイズは簡単に今日の予定を説明し始めた。

「あの‥、ロイズさん?」
「何ですか?」
「俺達、まだ朝飯も食ってないんすけど」

長い話に耐えかねた虎徹の腹の虫が鳴りだし、たまらず彼は話の腰を折った。

「虎徹くん、君ねえ…」

ロイズの眉間にきれいな皺が寄る。
すかさずバーナビーが横から助け舟を出した。

「そういえば僕も少しは腹ごしらえしたいと思ってたんです」

そうして、バーナビーから提案された予定変更を承諾したロイズがその調整に向かったのを見届けて、二人は社内のカフェテリアへと移動した。





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