捧げものと企画文
□2012 エイプリルフール企画
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「うそつき」
「俺にかまわず、犯人を追え!」
「でも!」
「いいから!」
俺は大丈夫だ、と笑う虎徹にバーナビーは気持ちを振り切るように駆け出した。
「…頼んだぜ、バニーちゃん」
ふうと詰めていた息を吐いて、脇腹を押さえたまま虎徹はその背中を見送る。
正直、本当はあまり大丈夫ではない。
実のところ、さっき食らった犯人の一撃がかなりのダメージを与えていたのだ。
ズルズルと側の建物の壁にもたれて座り込むと、静かに目を閉じる。
メカニックの斎藤に連絡をと考えてから、それでは回線を通じて今の状態がバーナビーにバレてしまうと思い直した。
その時だった。
「うそつき」
頭上からいきなり、ここにいないはずの声が降ってきた。
「あれ…、バニーちゃん?なんで…」
「あなたこそ、全然大丈夫じゃないじゃないですか」
「でも、犯人が、」
「犯人は他のヒーローに任せてきました」
「…!それじゃ、お前ポイント‥」
「虎徹さん!」
フェイスマスクを上げてじっと見つめるグリーンアイズは怒りに染まっていて、虎徹の反論を許さない。
「ポイントよりも、今の僕にはあなたの方が大事なんです」
「おまっ…」
「喋らないで。舌噛みますよ」
定番のお姫様抱っこで抱き上げられた虎徹は仕方なく、彼の首に手を回す。
黙り込む二人の耳にTV中継の実況が聞こえてくる。
犯人確保の報を聞いた瞬間、思わず肩を竦めたバーナビーに苦笑した虎徹は「この、うそつきめ」とつぶやいたのだった。
※さり気なく互いを気遣うバディ萌え(笑)
日記でも書きましたが、マジでエイプリルフール関係なくてすいません…。
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