捧げものと企画文

□Rhapsody in Baby(微R)
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※リク主様へ捧げます





「んっ‥バニー、もぅ…」
「もう、何です?」
「‥ヒィッ‥やあ…っ‥」

ニヤリと笑ったバーナビーが奥を突き上げると、虎徹は甘い声を上げ背をのけぞらせる。
その背中に手を入れ抱え起こせば、深い挿入に堪えきれなくなった虎徹の瞳からとうとう涙が溢れ出した。

「おじさん‥」

潤んだ琥珀の瞳がバーナビーを見つめている。
思わず抱き締めると密着した体から規則正しく刻まれる鼓動が聞こえてきて、バーナビーはますます強く虎徹を抱き締めた。

「バ‥ニー…?」
「あなたが‥好きです」
「ん‥」
「愛してます」
「‥おれ‥も」

再び律動を始めたバーナビーに翻弄されながら、虎徹も動きを合わせる。
ギシギシと軋むベッドの音が激しくなり、やがてそれは静かに途絶えた。




シャワーを済ませたバーナビーがベッドに戻ってくると、すでに虎徹は夢の中だった。
ちょっとヤりすぎたかな、といつも情事後は反省するのだが実際始めてしまえばそんな気持ちはどこかへ吹っ飛んでしまう。
そのくらい、この年上の相棒に彼はのめり込んでいた。

「う‥ん」

だだっ広いバーナビーのベッドを占領する虎徹に呆れながらも、自分も横になろうと布団をめくる。

リンゴーン!リンゴーン!

その時、玄関チャイムの音がしてバーナビーは動きを止めた。

(こんな時間に一体誰だろう?)

彼の自宅を訪ねて来る者など虎徹以外には心当たりはない。
不審に思いながらもバーナビーは玄関へと向かった。

「どなたですか?」

ほんの少しドアを開き隙間から顔をのぞかせてみたが、そこには誰もいない。

(おかしいな…)

首を傾げ、ドアを閉じようとした彼はふと足下に置かれたカゴに気がついた。

(なんだろう?)

持ち手の付いたバスケットには見覚えがある。
それはごく最近、アニエスの依頼で市長の息子の赤ん坊を預かった時に見たのと似ているからだ。
それがなぜ、ここに?
そこまで考えたバーナビーはおもむろにバスケットの中をのぞき込む。

そしてたっぷり30秒は固まった後、すぐにバスケットを持って室内へと駆け込んだ。

「‥おじさん!起きて下さい!おじさん!」

まずはバスケットを床に下ろし、叫びながら虎徹を激しく揺さぶる。

「‥んだよ、バニー。おれ、疲れてんだって‥」
「いいから!起きて下さい!」
「いててて!あー、分かった、分かった。今起きるから!」

切羽詰まったバーナビーの叫びに、ようやくただ事ではないと気付いた虎徹が寝ぼけ眼のまま彼を見た。

「で、どうしたんだよ?そんなに慌てて」
「これ」
「ああ?」
「‥うちの玄関の前に置いてあったんです」

目の前に差し出されたバスケットを受け取る。
中をのぞき込んだ虎徹はやはり一瞬固まって、次に大きく口を開けた。

「おまっ、これって赤ちゃ‥んぐ!」
「シィッ!大きな声を出さないで下さい。目を覚まして前みたいな騒ぎになったらどうするんですか?」

虎徹がコクコク頷いたのを確認し、バーナビーは彼の口から手を離す。

「この赤ちゃんって、NEXTなのか?」

小声で尋ねた虎徹にバーナビーは眉をひそめた。

「知りませんよ」
「ってか、どうしたんだよ?誰かから預かったのか?」
「だから!…僕も何がなんだか‥」
「ちょっとバニー、落ち着けって。いいから何があったのか、もっぺんくわしく話してくれよ」

明らかに動揺を隠せないバーナビーとは対照的に、虎徹は落ち着いた様子で質問を繰り返す。
パニック状態の相手を前にすると逆に自分は落ち着く、というのはどうやら本当のようだ。

「だから、さっきも言いましたけど。えっと‥玄関チャイムが鳴ったんで出てみたら誰もいなくて、足下にこのカゴが置いてあったんです」
「‥それって、捨て子ってことか?」

虎徹が険しい表情でそう言い放った。
いつになくキツい口調に、バーナビーは彼もまた一人の親だったなと思い出す。

「だから僕に聞かないで下さいって」

困ったように肩を竦めるとバーナビーは用心深く、バスケットの中を探り始めた。
もしかしたら、赤ん坊に関する手掛かりが何かあるかもしれない。

「あ‥」
「どうした?なんか見つかったのか?」
「メモみたいなのが入ってます」

バーナビーがカードのようなものを取り出すと虎徹も身を乗り出して覗き込んだ。

「少しの間、預かって下さい。名前はミーシャです‥って、えぇ!?」
「完全にお前あてのメッセージだな」
「…あの、おじさん。今何考えてます?」
「なあ、バニー、自分のしたことにはちゃんと責任持つべきだと俺は思うぞ」
「…どういう意味です?あなた何か誤解してませんか?」
「だからさ。相手の女性のことも考えてだな、」

バーナビーを見る虎徹の目は明らかに彼を疑っていて、思わずカッと頭に血が上った。

「違います!この子は僕の子じゃありません!」
「‥え、そうなの?」
「僕はあなたと出会うまで特定の女性とお付き合いしたことはありませんし、セックスをしたのもあなたが初めてです!」

興奮したバーナビーにまくし立てられ、虎徹が後ずさる。

「‥じゃ、あん時お前、童貞だったんだ」

虎徹の放った一言がさらに火に油を注いだ。

「今はそんなこと、どうだっていいでしょう!!」
「お、おい!シッ!」

わめくバーナビーを慌てて止めようとするも時すでに遅く。

「オギャーッ!」

火がついたように泣き始めた赤ん坊に二人は顔を見合わせ、そして途方に暮れた。




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