捧げものと企画文

□僕らのSex Life 開発編(R)
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※こてっちゃん様へ捧げます




「最近、マンネリだと思いませんか?」
「……」

…またバニーのいつもの病気が始まった。
どうせ、この後に続く言葉なんて分かり切ってる。
聞き返すだけ無駄だと無視する俺をさらに無視して、バニーが話を続けた。

「僕らのセックスです」
「だから!聞いてねーよ!」

あ…、またこいつの術中にハマっちまった。
俺ってほんとに学習能力ゼロだよなあと自己嫌悪に陥る俺の目の前に、紐でぶら下がった水晶玉がかざされた。

「なんだ、それ?」
「催眠振り子です」
「催眠振り子!?」
「ええ、これを目の前で揺らしながら命令するとその通りになるらしいですよ」

なんだそりゃ…。心の中でため息をつきながら、俺は疑わしげにバニーを見上げた。

「信じてませんね」
「…ったりまえだろ」
「僕は…あなたが僕を信じてくれるって、信じてたのに」
「…お前、それ今いい顔で言うセリフかよ」

呆れたように今度こそ大きなため息を吐く。
すると、いたって真面目な顔をしたバニーがリクライニングチェアでくつろぐ俺に覆い被さるように詰め寄ってきた。

「じゃあ、試してみましょうか?」
「……」

じゃあって何だよ、じゃあって!
俺は催眠術をかけていいなんて一言も言ってねーぞ!

「いきますね」

…相変わらず、人の話聞かない奴だな。

言い返すのも面倒になって、俺はつい「好きにしろ」などと投げやりな返事をしてしまった。


バニーがかざした振り子をゆっくりと揺らし始める。
相手が真剣なものだから、俺も仕方なく水晶玉の動きを目で追いかけた。

「あなたはだんだんと…」

静かな声でバニーが語りかけてくる。

「乳首が気持ちよくなってくる…」
「なってたまるか!」

思わず興奮して立ち上がりかけた俺をバニーが冷静になだめる。

「ちょっと落ち着いて下さい。好きにしろって言ったのは虎徹さんですよ」
「…ッ、けどよ」
「試すくらいいいでしょう?」
「あー、もう分かったよ…」

再び奴の催眠術が再開され、どうにでもなれと自棄になった俺は水晶玉を睨みつけてやった。

…どのくらいそうしていたのか。
やがてバニーが水晶玉を揺らすのを止め、側のテーブルの上に置いた。
これでようやくこのくだらない茶番から解放されるのだと知り、ホッとする。
こんなことで乳首が気持ちよくなんてなるわけないだろ。
最初は俺もそう思っていたのだが…。

「ひッ…ぁ!」

伸ばされたバニーの手がシャツ越しに両の胸に触れた途端、ピリッとした電流のような感触が走り抜けた。

「なんだよ…今の?」

上擦った声はまるっきり情事の時のもので。
俺の反応に気をよくしたバニーが上機嫌な笑みを浮かべるもんだから、たちまち頬がカァーッと熱くなった。

「…お前、何する気だよ」
「もちろんセックスです。今日は乳首だけでイってくださいね、虎徹さん」

ニッコリと笑ったバニーの顔が俺には悪魔の微笑みに見えた。


リビングの床に横たわった俺のシャツにバニーが手を掛ける。
男にしては色白の長くて綺麗な指が時間をかけてゆっくりと、ボタンを一つずつ外してゆく。
やがてシャツの下に着ていたタンクトップがたくし上げられ、上半身が露わになった。

「…ん」

外気に晒された胸がジンジンする。
衣服が擦れる刺激にさえ、敏感になった突起は熱を持ち疼いた。
マジかよ…。自分でも信じられない体の変化に戸惑い、呆然としてしまう。

「あれ?虎徹さん、信じてないとか言ってたくせに乳首ビンビンに勃ってますよ」
「くッ…るせー」

嬉しそうに言われてムカついたが事実なので仕方ない。

「ほんとは気持ちいいんでしょ?」
「んなわけある、か…アッ!」

いきなり右の乳首を口に含まれて、強烈な快感に俺は背を仰け反らせ喘いだ。
チュパチュパ、レロレロとバニーが舌でこねくり回すとそれだけで頭が真っ白になる。

「やッ!アアッ…ッン!」

今度はバニーの右手が、身を捩る俺の左の乳首を摘み上げた。

「…ッハァ…い、やめ…ッ」

ギュッと痛いほどの力でつねられたかと思うと、上から押し潰される。

「…んンッ…ヒィッ!」

両方いっぺんに刺激を与えられ、ズンと重い快感が下半身へと走り抜けた。
認めたくない事実だが、胸への愛撫に俺のアソコはすっかり形を変えてしまっている。

「虎徹さん、胸への刺激で感じてるんですね」
「…いう、な…ッはぁ…あァッ!」

荒い息を吐きながら睨んだところでバニーを喜ばせるだけだ。
分かっていてもそうせずにはいられない。
くそっ…、胸を弄られて気持ちいいなんて恥ずかしくてたまんねぇ。
なのに、バニーときたらこれでもかと言わんばかりに乳首ばかり責め立ててくる。

「虎徹さんのココも…」
「あッ…ン…やッ」
「嬉しそうによだれを垂らしてますよ」
「ッ…!」

いきり立ったモノをスルリと撫でられて背筋が震えた。
右の乳首を口に含んだまま、バニーは再度俺のモノを撫で上げてから握りしめた。

「バ…ニーッ!」

自分の声とは思えない掠れた喘ぎ。
だが高みに追い上げてゆくバニーの責めには容赦がない。
スッと離した右手で左の乳首を捻られ、右を甘噛みされた瞬間

「やぁッ…ン!…ッぁあ!」

俺は激しく体を震わせ、イっちまっていた。

「ハア、ハア…ん…」
「乳首だけでイっちゃいましたね、虎徹さん…」
「…っく、ちく…しょ…」



なんであの時、「好きにしろ」なんて言っちまったんだろう…。
バニーの手や自身で何度もイカされながら、俺はぼんやりとした頭で自分の学習能力の無さを反省する。
毎回、抱かれるたびに後悔しながらもあいつの誘いを断りきれない理由があるとすれば―。

―それはきっと、俺もバニーとのセックスが好きだからだ。

この、マンネリを嫌う勉強熱心な若者の姿勢は嫌いじゃない。

「考え事なんて余裕ですね」

そんなことを思っていたらまた乳首を甘噛みされ、たちまち俺は体を震わせた。





―ああ…前言撤回だ。やっぱりおじさんはお前の若さにはついていけません。






おわり



※楽しんで頂ければ幸いです。この度はリクエストありがとうございましたv


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