捧げものと企画文

□今夜君は僕のもの(R)
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※友さまへ捧げます




『ああ〜っと!ここでタイガー&バーナビーが逃走中の強盗犯を追い詰めた!』

実況中継に合わせて、袋小路に追い詰められた犯人の姿がヘリのライトに照らし出される。
犯人と対峙する二人のスーツカラーである赤と緑もまた同時に、闇夜に浮かび上がった。

『さあ、今季も絶好調の二人!このまま犯人確保となるのか?』

「行くぜ!バニー!」

マリオの実況に煽られるように、勢いよく虎徹が犯人の前に飛び出した。

「ちょっと、虎徹さん!」

完全なるフライングに舌打ちしたバーナビーが後を追う。
虎徹が伸ばした右手が犯人に触れた瞬間、相手の男の体が青白い光を放ち始めた。

「あいつ、NEXTだったのか?」

慌てて駆け寄るがもう遅い。
バーナビーの蹴りが決まり、犯人が気を失った時にはすでに虎徹の体は青い光に包まれた後だった。




「ほんとに何ともないんですか?」
「んー、今んとこ別に変わった様子は無さそうだけどな」

ヒーローTVの取材を終えたバーナビーは虎徹に駆け寄ると、苛立たしげな視線を彼に向けた。

「んな怒んなよ、バニー」
「怒りますよ!まったくあなたって人はいつも無茶ばっかり」
「だから反省してるって…」

バーナビーの叱責を受け、虎徹が後ずさる。
その時、背後から近づいてきたロックバイソンが勢いよく虎徹の肩を叩いた。

「おいおい。お前ら、また揉めてんのか?」
「ちがいま、」

す、と言いかけたバーナビーの声に「ヒィッ!」という虎徹の掠れた悲鳴が被さった。
なんだ、今の声は?そう思いつつ、バーナビーがフェイスシールドを上げ虎徹を見る。
肩を叩いたロックバイソンもまた、そのままの状態で固まってしまっていた。

「…お前、なんつー声出してんだ」

ちょっと焦ったような声音が戸惑うロックバイソンの心境を表している。

(その気持ち分かります。今の不意打ちは完全にアウトですよね)

異変に気づいたバーナビーが足音荒く二人に近づく。
そして眉をつり上げ、キッと虎徹を見据えた。

(…だって、今の悲鳴は完全に夜のベッドの中での声じゃないか!)

苛立ちのままにロックバイソンの手を払いのけ、虎徹の腕を掴めば再び喘ぐような悲鳴が漏れた。

「あ、やッ」

呆気にとられてとうとう声すら出せなくなったロックバイソンを前にして、バーナビーのただでさえ容量の少ない堪忍袋の緒が切れた。
自分以外の男にこの声を聞かせるなんて!

「行きますよ!虎徹さん!」
「んッ…」
「……」

ロックバイソンの頭の中をクエスチョンマークが渦巻く。
何も言えずに立ち尽くす彼の目の前で、虎徹はバーナビーに引きずられるようにしてトランスポーターへと戻って行った。

「…今のはいったい何だったんだ?」

様子のおかしい親友を心配しながらもバーナビーの剣幕に圧倒され、ただ黙って見送ることしかできないロックバイソンである。




その夜バーナビーは、自宅へ戻ると言い張る虎徹を半ば強引に自分のマンションへと連れ帰った。
虎徹はやはりさっきのNEXTの影響を受けていたようで、全身が驚くほど敏感になっていた。
しかも、性的にという悪い意味でだ。
もともと敏感体質の虎徹は犯人の男の能力のせいで、スーツ越しに触れられるといったわずかな刺激にさえ、感じるようになってしまっていた。
その影響はいつ消えるのかも分からない。
そんな状態の彼を一人になど出来るわけがない、とバーナビーは嫌がる虎徹にもっともらしくまくし立てた。

「アニエスに事情を説明して、いつ能力の作用が消えるのか聞けば済む話だろ!」
「じゃあ、何て説明するんです?」
「それは…」
「NEXT能力にやられて感じやすくなりました、とでも言うんですか?」

ぐ、と言葉に詰まった虎徹の顔が赤くなった。
そもそも、虎徹が口でバーナビーに敵うはずがない。

「…分かったよ」
「分かればいいんです」

淡々といった風に頷いた虎徹を見て、バーナビーはようやく口元に笑みを浮かべた。

「じゃあ、ベッドに行きましょうか?」
「へっ?」
「せっかくだから、どんなだか試してみるんです」
「…一応聞くけど、何を?」
「そこまで僕に言わせたいんですか?」

バーナビーの瞳が妖しく光る。
背中を冷たい汗が流れ落ちる感触に、虎徹はゴクリと唾を飲み込んだ。

「セックスの時のあなたの反応ですよ」

咄嗟に逃げ出しかけた虎徹の腕をバーナビーが掴む。
そのまま強く握り締めてやれば、甘い声を上げて虎徹はその場に崩れ落ちた。

「あ、はな…せ。バニー…」
「無駄な抵抗はしない方がいいですよ、虎徹さん」

潤んだ琥珀の瞳が睨み上げてきたが、気にせずバーナビーは虎徹を抱えて寝室へと急いだ。

ドスッとベッドに体を投げ出せばその感触にすら息を詰まらせ、虎徹は唇を噛み締める。
上気した頬はまるでさらなる刺激を求めるかのようにバーナビーを誘う。

「んッ…」

たまらず上からのし掛かると、バーナビーは荒々しく彼に口づけた。
薄く開かれた唇の隙間から舌を差し込み中をまさぐれば、途端に虎徹は大きく体を仰け反らせた。

「んんーッ!…ッん」

どうやら激しく感じているらしい。

「キスだけでこんなになるなんて」
「…ぁ…やめ…」
「最後までしたら、あなたいったいどうなるんでしょうね?」

甘い悲鳴は再び重ねられたバーナビーの唇に吸い取られ、消えてしまった。




暗い寝室に虎徹のすすり泣く声が響く。
両足を抱え上げられ、奥を穿たれるたびに虎徹は激しく体を震わせた。

「…あ、あッ…も、やだ…」

虎徹の腹は幾度も吐き出した己の精液ですっかり汚れてしまっている。
吐き出すもののない性器はそれでもなお勃ち上がり、過ぎた快楽で虎徹を苦しめていた。

「…もぅ…イケな…ッぁあ!」

ズルリと引き抜いたモノをバーナビーが再び押し込む。
体の中も外も、全身が性感帯と化している虎徹は背を仰け反らせキツくバーナビーを締めつけた。

「虎徹さん…すごい…」
「はぁ…んッ…バニー…ゃあ!」

激しい注挿に結合部が泡立ち、グチュグチュとイヤらしい音を立てる。
縁をなぞりながら少し中に指を押し込むと

「くッ!…ッああぁ…」

虎徹はまた甘い声で啼いた。

「気持ちいいですか?」

ゆるく突き上げながらバーナビーが問えば、恍惚とした表情を浮かべたままの視線が彼に向けられる。

「…いい…よすぎ、て…しに…そ…」

ああ、また反則だ。虎徹の中のバーナビーが反応してたちまち大きくなった。

「…ッや!また…なか…ッ!」

普段の虎徹ならば絶対に口にしないであろうセリフが次々に飛び出し、バーナビーのテンションも上がりっぱなしだ。
こんな風に素直に感じる虎徹も新鮮だな、などと思いながら彼はラストスパートに向けて腰を揺らし始めた。




「…目が覚めたら虎徹さん、怒るだろうなあ」

イキっぱなしの状態で最後は気を失ってしまった虎徹を見下ろしながら、バーナビーはため息をついた。
このまま元に戻らなかったら…。
そう考え、ニヤつく口元を抑える。
虎徹には無鉄砲だとあれほど注意したのに、その自分がこの状況を楽しんでいると知られれば立場がない。

「とにかく、明日アニエスさんに相談しよう…」

建て前ではそう思いつつ…。

せめてあと2〜3日くらい、このままでいてくれないかな…と心の中で密かに願うバーナビーだった。





おわり

※楽しんで頂ければ幸いです。この度はリクエストありがとうございましたv

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