長編

□笑ってたいんだ 2(R)
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「もう、何です?」
嫌々をするように髪を振り乱す彼をバーナビーは更に指で追い詰める。
「何が欲しいんですか?」
「…おまえ…をくれ…よ」
振り返った虎徹の目が欲情に濡れている。
それを見て、バーナビーの理性も吹き飛んだ。
「あなたって人は…」
ガバッと体を起こし、体勢を入れ替えるとバーナビーは虎徹の中に己自身を挿入した。
「あ、アァ!!」
激しい突き入れに虎徹が絶頂を迎える。
射精後の敏感な体を更に激しく揺すられ、あまりの快感に虎徹が許しを乞うてもバーナビーは容赦しなかった。
「バニ…も…やめ…」
「今日は加減できないって言ったでしょ」
「…ヒィッ!も…こわれ…る」
イク、と繰り返しながら何度も達する虎徹を緩く抱きしめながら、不意にバーナビーは虎徹に問うた。
「あなた、僕に何か隠し事してるでしょう?」
焦点の合っていなかったはずの虎徹の目にわずかに光がともった。
「な…に?」
呂律の回らぬ舌がようやく言葉を紡ぎ出す。
「なに…言って…」
「僕には言えないことですか?」
「んぐッ…」
律動を繰り返しながら攻め立てても、虎徹はそれ以上口を開こうとはしなかった。


「虎徹さん…」
最後に意識を手放す前に頬を濡らした涙をそっと拭う。
「すいません。あなたをこんな風に泣かせるつもりはなかった」
苦い後悔にバーナビーの胸がわずかに痛んだ。




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