長編
□笑ってたいんだ 3
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「何かリクエストあります?」
連れ立って街を歩いていたバーナビーが問いかける。
「別にこれと言ってなあ。食えりゃ何でもいい」
それに、と周囲を見渡しながら虎徹は声を潜めた。
「お前、目立ちすぎんだよ」
一応、目元を覆うマスクを付けてはいるが、彼の隣にいる限りそれもあまり意味はなさないようだ。
時間も無いことだし、手近な店に入ろうとしたその時だった。
「キャー、泥棒!」
近くで女性の悲鳴が上がる。
振り返った2人の目に小脇にカバンを抱え、走り去ろうとする男の姿が見えた。
「朝っぱらから引ったくりかぁ?」
「そのようですね」
呆れたような虎徹の声にバーナビーが答える。
「しゃあないな。朝飯は後だ。とりあえず、あいつ追うぞ」
はい、と頷いたバーナビーと共に能力を発動した虎徹はすぐさま男の後を追った。
あっという間に前後に回り込み、挟み撃ちにする。
すぐに事件解決かと思われた矢先、男が反撃に転じた。
「うぉっ!?」
繰り出された蹴りの異様な重さに虎徹が驚きの声を上げる。
「虎徹さん?」
「気ィつけろ、バニー。こいつNEXTだ」
「え!」
今度はバーナビーが繰り出された拳を右腕で受け止める。
「お前は…」
男は二人に向かってニヤリと不敵に笑ってみせた。
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