長編

□しらじらと明けていく夜3(R)
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「さあ、入りたまえ」

フォートレスタワー近くの高級ホテルの一室に通された虎徹は部屋に入るなり、眉をしかめた。
毛足の長い絨毯をたどると奥にキングサイズのベッドが見える。

「安心しなさい。ここは私所有のホテルだから、セキュリティーも完璧だ」

まずはシャワーを浴びるようにと言われ、虎徹は素直に従った。
シャワーの湯を頭から浴びていると、情けないくらいに体が震えているのを感じて苦い笑みが零れる。

(こんなのは何でもねえ。昔も平気だったじゃねぇか)

あいつは…と、ふと思い浮かんだのは相棒のまっすぐな瞳。

(あいつが知ったら軽蔑するだろーな)

暗い気持ちで部屋に戻ると、ベッドの正面に置かれたソファにマートンはゆったりと腰掛けていた。

「ベッドの上に座りなさい。久しぶりなんだろう?しっかり解しておかないと」

そう言って手渡されたローションを受け取った虎徹はバスローブ姿のまま、ベッドに上がった。
昔、男に教えられた通りに足を開くと下着を着けていない下肢が丸見えになる。

「覚えのいい生徒は好きだよ、タイガー」
「くっ…」

虎徹は浅く息を吐くと唇を噛み締め、ローションまみれの指を恐る恐るアナルへとゆっくり挿入した。
だが、こわばりの溶けない体が異物を受け入れるはずもなく、指1本ですら苦痛を伴う。

「仕方ないな。手伝ってあげなさい」

そんな様子を見ていたマートンが助け船を出すと、傍に控えていた男が虎徹へと近づいた。

「なっ…ぐ、つぅ…」

逃げる間もなく、男の太い指が突き入れられ痛みに虎徹の背がのけぞった。

「…あっ、あ、あ、あ゛…」

全身を冷や汗が伝う。
虎徹の苦痛などお構いなしに男は彼のアナルを掻き回し、徐々に指の本数を増やしていく。

「ヒィ…ん、やあ!」

不意に男の指がある場所を掠めた途端、背筋を覚えのある感覚が駆け抜けた。
じっと視姦していたマートンがニヤリと笑う。

「思い出してきたようだね」

ああ、これは快感だ。
そう認識した虎徹の体はスイッチが入ったように淫らに揺れ始め、マートンは満足げに微笑んだ。




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