捧げものと企画文

□love&smile
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その夜、独りきりになった病室で虎徹はバーナビーに電話を掛けた。


『どうしたんですか?こんな時間に』
「あー、いや、」
『何かあったんですか?』
「なんかさ、お前が寂しがってるんじゃないかと思ってな」
『…そりゃ、寂しいですよ。それに…』
「それに?なんだよ」
『時々、不安になるんです』
「不安?」
『あなたと楓さんを見ているとやはり、血の繋がった親子の絆って言うんですか?そういうのを感じちゃって。確かに、虎徹さんとの絆は感じてます、だけど、』
「バニー、愛してる」
『虎徹…さん?』
「俺達は家族にはなれないけど、お前は俺にとって家族とは違う意味での特別な存在なんだ」
『……』
「もっとちゃんと言葉で伝えればよかったんだな。不安にさせて悪かった」
『僕も…虎徹さんを愛してます』

うっわー、こっぱずかしい!と叫ぶ虎徹の様子が電話越しに浮かんで、バーナビーは今すぐ彼に会いたい気持ちをぐっと堪える。

『退院したら、まずうちに来て下さいね』
「分かってるよ。バニーお手製のチャーハン食わしてくれんだろ?」
『覚えてたんですか?』
「そりゃ、と、まずい。見回りみたいだ。切るぞ。おやすみ、バニー」

慌ただしくまくし立てると、一方的に電話は切れた。

「もう少し、声を聞きたかったな」

それでもバーナビーの心は温かく、満たされていた。
彼を信じると決めたのは自分だと言うことを、不安な時は思い出せばいい。

「おやすみなさい」

明日はチャーハンでも作って彼を驚かせるか。
愛情たっぷりのスパイスを込めて。

一口食べた虎徹の顔を思い浮かべて、バーナビーは笑みを浮かべるのだった。







END
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