捧げものと企画文

□2012 バニー誕企画
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2.俺に構うのはあなたぐらいですよ



いきなり勤めてた会社が無くなって、気付いたら大手企業に移籍してて、コンビヒーローとして再デビューなんて他人が聞いたらうらやましい話なんだろうな。

コンビを組めと言われて出会った新人ヒーロー、バーナビー・ブルックス Jr.は生意気で可愛くない後輩だった。
なんせ、すました顔で俺をお姫様抱っこした上に、初対面で「オジサン」呼ばわりしやがったんだからな、アイツ。
しかも、俺のヒーロースタイルは古いとかぬかしやがって。
うん、今思い出しても腹立つな。
…ま、世間でよく言う出会いは最悪ってやつ?

けど、確かに言うだけあってバニーちゃんは仕事は完璧でさ、そこは俺もすげー奴だなって認めざるを得なかったわけだ。
意見や考え方はまったく違うアイツのヒーローとしての行動とか、時折垣間見せる人間臭い一面とかを知る度になんかこう、親近感がわいてきたっつーか。
アイツを知れば知るほどほっとけなくなっちまったって感じ?

最初の頃は俺のが年上だし、ベテランだし、俺が引っ張ってってやらなきゃっていう変な意地やプライドもあって、いろいろアイツに働きかけてもみたんだけどさ…。
うん‥。

…まあ、結論から言えば俺の努力はほとんど無駄だった(苦笑)
そもそもアイツはコンビなんて組む気はなかったらしいし、俺に頼る気なんてサラサラないそうだし。(と、面と向かって言われりゃ、さすがの俺も少し落ち込んだ)

…正直、アイツのことは苦手だけどそれはそれでちょっと淋しいよな。

あんなにガチガチに力入れてないでもっと肩の力抜けばいいのに。

そう思った俺があれこれ世話を焼こうとしても、バニーちゃんは迷惑そうに眉をしかめてこう言い放つ。

「いい加減にして下さい!」

思わぬ怒声に面食らうと、アイツはフッと人を小馬鹿にした笑みを浮かべ冷ややかに俺を見て。

そして…。

その後に続けられたセリフに俺は言葉を失う。

「僕に構うのはあなたぐらいですよ」
「……」

なあ、それって寂しくないか?バニーちゃんよ…。








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