小説
□島国10th記念
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世界会議にて
廊下ですれ違った貴方は
初めて会った時よりも
穏やかな…丸くなった様な…
これも、平和の証拠なのでしょう
そう言い聞かせれば
楽だったのでしょうが
それが、貴方の横にいる方の影響だと思うと
いけませんね
今はもう、あの頃の様に激情に任せていい仲ではないのですから
「菊‼今度のゲーム
俺の所にも売って欲しいんだぞ‼」
パタパタと走り寄ってくる青年
あの人によく似た姿が
羨ましくあり、憎らしい
「そうですね…
少し、交渉はしておきましょう」
遠回しに、嫌味を言いながら
彼の話を流す
私が話したいのは
貴方じゃないんですよ、アルフレッドさん
「それでは、失礼させていただきます」
一度も目を合わせずに
踵を返そうとした時
「お、おい、菊…」
森の風の様な爽やかな声
貴方の声は
貴方の紡ぐ言葉は
そんなに綺麗なのでしたか…?