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□スポンサー様の仰せのままに
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今日もまた、同じホテルの同じ部屋。
一般の客なら大喜びするであろう特別ゲスト用のスイートルームも、虎徹にとってはできることなら二度と訪れたくない場所だった。
「……失礼します」
ノックもせず、いきなり部屋のドアを開けたが、中の連中はそんなこと気にも留めない。
「おお、来た来た」
「いらっしゃい、ワイルドタイガー」
「お招きいただきありがとうございます」
……今日は多いな。7・8人ってところか。
ま、何人いても変わりはしないが。
「よくきたね、タイガーくん」
「今日は新しい方も来ているんだ。よろしく頼むよ」
「はい」
今夜もまた、俺にとっての地獄が始まる。
「スポンサー様の仰せの通りに」
「んっ……ふぅっ……」
何本もの手が虎徹の体を弄る。胸を、腹を、腿を、いやらしい手つきでするすると撫でられていく。
服はとっくの昔にはぎ取られ、一糸纏わぬ姿で愛撫を受けていた。
ギラギラとした好奇の目の中心にいるのは、何だか自分がゲージの中の鳥にでもなったような気分だ。
「相変わらず、綺麗な体だねぇ……」
「もう感じているのかい?タイガーくん」
「あ……っ……」
もう終われ。早く終われ。そう考えているときほど、時間は全く進まない。
「どれ、そろそろ後ろを馴らしてやらんとな」
「……自分でやります」
そう言って自ら肘をついて腹這いになる。
随分積極的じゃぁないか、と言ってニヤニヤと笑うスポンサー達を横目に、虎徹は手近にあったローションを適当に指に絡めると、それをそのまま自分のアナルに擦り付けた。
「っ……ん」
後ろに感じる明らかな違和感。この感覚も、もう何度目だろう。くちゅ、くちゅ、という聞き慣れた水音が、いやらしく鼓膜を刺激する。
……体が熱くなるのは、あくまで条件反射だと信じたい。
「はっ……っん……」
「素晴らしい……自分で弄って感じているのかね?」
「そんなにまで私たちとの『お遊び』を楽しみにしていたのかい、え?」
「うっ……」
そんな訳ねぇだろキモオヤジども。うぜえ。
本心を隠すように、虎徹はギリリと歯を食いしばった。
「くっ……はい……そうで、す……」
「くくく、素直でよろしい」
「ご褒美にこれをあげよう」
そう言って高そうな革鞄から出てきたのは、下品な色の太いバイブ。
……俺そういうの嫌いなんだけど。
「どうだい?キミにぴったりだろう」
「はい……嬉しいで、ッあ!?」
突然、ヴィイイインという機械音がしたかと思うと、まだ中途半端にしか解してない後孔に、急にバイブを突っ込まれた。
「ホラ、自分で動かしてみなさい」
「は、い……ぅあッ!!」
思っていたよりも太くて存在感のあるそのオモチャは、虎徹の中を蝕むようにジリジリと犯していく。
軽く動かしただけて、全身の感覚がそこに集まってしまったかのようにアナルが熱く疼いた。
「ハッ……くぁっ……」
最初は無機質で冷たかったそれが、ずちゅ、ずちゅ、と音を立てながら、自分の熱で少しずつ温められていく。
やべ、少しクセになりそう。
「はぁ……はっ……っううッ……!」
「ん?どうして声を殺しているんだね?」
……どうしてもこうしてもねーだろ。
「っッ……くっ……」
「もったいないねぇ……折角こんなに淫らな姿をしているのに」
「全く……では、仕方がないのでこうしましょう」
「んっ……んんあッ!?」
ゆるゆると内壁を広げるように自分で出し入れしていたバイブを、さらに奥まで突っ込まれる。そしてゆっくり引き抜かれて、また勢い良く挿れられた。
それを、何度も何度も繰り返される。
「はあっ、う、くっ、つああ……!」
「おぉ、随分気持ちよさそうだねぇ」
「どうやら、正義のヒーロー様は酷くされる方がお好みらしい」
「……!?やっ、やめっ……!」