NOVELS

□A
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※なんか超モテる虎徹っちゃんの話

今日の虎徹の予定:特にないので1日トレーニング



「タイガーさんっ!」

とある日の朝、虎徹がトレーニングルームに向かっていると、イワンが廊下の向こうから駆け寄ってきた。

「ん?おお、なんだ折り紙」
「はい。おはようございます」
「ん、はよ。お前は礼儀正しいなー」
「いえ、そんなことは……」
「いーやいや!他の奴らなんか、俺のが年上だってのに、バカにしてばっかりでさ。お前ぐらいだよ、ちゃんとしてんのは」

虎徹に頭をポンと撫でられる。えらいなーと褒められて、イワンは慌てて赤くなりながらも、とても嬉しくなった。

「あ、ありがとうございます」
「で、何か用か?」
「あ、はい。実はここの近くに、新しいオスシ屋さんができたんです。それで、宜しければ一緒に行っていただければ、と……」

イワンはもじもじしながら、虎徹の顔を窺った。日本人である虎徹ならば、きっと興味を持ってくれるだろうと思い、ドキドキしながら誘ったのだ。

「おー寿司か、いいな!行こう行こう!」

そして快く承諾してくれた虎徹に、頑張って誘った甲斐があったと、イワンはほっとして笑みを零した。

「あ……ありがとうございます!」
「よし!んじゃ、空いてる日メールしといてくれ」
「はいっ!」



@イワン・カレリン




「あ、タイガー!やっほー!」
「よ、ドラゴンキッド……何食ってんだ?」

イワンと約束をした後、虎徹がトレーニングルームに入ると、パオリンが入口近くのベンチに座って、袋いっぱいの中華饅を両手に持って食べていた。

「朝飯か?」
「ううん、トレーニング前のおやつ!」
「あ、そう……」

ちょっと、というかかなり食い過ぎだと思ったが、食べても太らないのだから構わないのだろう。
虎徹がそんなことを考えていると、パオリンは袋の中の中華饅をひとつ掴んで、虎徹の前に差し出した。

「はい、あげるよ!」
「え?いいのか?」
「あ、でも一個だけだよ」
「はいはい、わかってるって。さんきゅーな」

虎徹はそれを受け取ると、いい匂いだなー!と言って嬉しそうに頬張った。

「おー、うまいなこの饅頭!」
「だよね!なのにさっき、ローズさんとバーナビーさんに勧めたら、2人とも、太るからいらないって……」
「あー……」

確かにあいつらなら言いそうだ。勧めた相手が悪かったな、と思いつつ、虎徹はもぐもぐと中華饅を食べ続けた。

「ったく……あいつらはバカだなあ?」
「全くだよ!こんなに美味しいのに……」

断られて悔しそうにシュンとするパオリンを見て、虎徹は明るい声を出した。

「よし!今度饅頭の礼に、アイスでも奢ってやるか!」
「ほんとに!?やったー!」
「おう!あ、でも他の奴らには内緒だぞ?特にブルーローズとバニーには」
「うんっ!勿論!タイガー、約束だよっ!」
「ああ!」



Aホワン・パオリン



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