NOVELS

□E
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※兎虎です


『ごめん、バニー……別れて、欲しいんだ』

彼にそう言われたのは、本当に突然だった。

『!?急に、何でっ……!?』
『本当にごめん……でももう、お前とは付き合えない』
『……っ僕、何か、貴方の気に障るような事しましたか!?』
『いや……違うよ』
『じゃあ何故なんですか!』
『それは……言えない』
『なんですかそれっ!理由も無しに別れるだなんて、納得できません!』

バーナビーの言葉に、苦々しく顔を歪める虎徹。そして言いにくそうに、ゆっくりと口を開いた。

『実は俺……他に好きなやつができたんだ』
『好きな……やつ……?』
『あぁ……だからこれ以上、お前と一緒にはいられない』
『ちょっ、ちょっと待ってください!誰なんですか、それは!』

詰め寄るバーナビーに、虎徹は目を合わせようともしない。
――本当に僕の事なんて、好きじゃなくなってしまったのか。

『それは……言えない』
『……僕の、知ってる人ですか』
『ん……まあ、な』
『誰ですか。教えてください』

好きな人だなんて、きっと言い訳なんだろう。そう思って詰問したのだが、虎徹の様子から、それは本当の様だった。
――僕の知ってる、ということは、他のヒーローの誰かなのか?

『……本当に、言っていいのか』
『っ……構いません』
『後悔、しないか』
『いいから、言って下さい!』

悔しくて口調を荒げるバーナビーに、虎徹は観念したように真実を告げた。

『それは……




こいつ、なんだ』
『!!!???』

そう言って虎徹の後ろから現れたのは、赤いキャップに、黄がかかった白の……

『は!?こ、これ、マヨっ……!!?』
『ああ……俺、こいつと結婚するんだ。だからごめんな、バニー?』

そう、虎徹の好きな相手は、等身大のマヨネーズだった。

そして場面は展開し、未だ唖然としたままのバーナビーはなぜか外に立っていた。目の前には美しい教会と鳴り響く鐘、そして舞い散る紙吹雪きの中、皆から祝福され、純白のウェディングドレスを着た幸せそうな虎徹の隣には、同じく白のタキシードを着た、少し照れた様子のマヨネーズが……

『ありがとうみんな!俺、今度こそ幸せになるぜ!』
『ちょ、虎徹さん!ま、待ってください!そんなの僕は認めな………っあ!!?』

そして虎徹に駆け寄ろうとしたバーナビーがはっと気付くと、足元から、酸いた匂いの充満した半固体状のそれの中に、どんどんと自分の身体が埋まっていく……

『うっ、うわあああああああ!!!!』


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