ゴーカイジャー長編

□宇宙海賊とお姫様
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いつもの船内で、ナビィが突然飛び回った。

「あ゛―!!!感じちゃった!感じちゃった!……」

「どうしたの、ナビィ?」

ルカが少々神妙な面持ちで尋ねると…

「地球だよぉ!宇宙最大のお宝だよっ!」

「まじでっ!」

ナビィはまたも機械仕掛けの羽を羽ばたかせるようにして答え、今度はハカセが興味津々といった様子で話しに加わった。

「んぅ?」

ハカセがモニターを操作すると漆黒の宇宙に青く輝く惑星が現れた。

「「ぉおおぉおおおーーっ!!!」」

ナビィとハカセが感嘆の叫びを共鳴させていると、今度はアイムが紅茶を置いて

「なんて美しい星でしょう…、人々が住みやすそうです。」

とにっこりと微笑んだ。

「アイムらしい感想ねぇー…、あたしにはおっきな宝石にしか見えないよっ!」

「ルカはすぐそれだ…」

ハカセが呆れてため息交じりに言うと、ジョーが階段を上って姿を現した。

「そんなことはどうでも良い…、俺たちの獲物はあの星にある。宇宙最大のお宝だ。」

「すましちゃって!ジョーも内心わくわくしてる癖に!」

ルカがにやりと笑ってジョーをからかうと、ふいとそっぽを向いてしまった。

どうやら図星のようだ…

「でもほんっとにこんな田舎の星にあるの?宇宙の全てと同じ価値のあるお宝なんでしょ?」

ハカセが心配そうに言いながらぐるりとルカたちの周りを一周し終わる頃…

「―――あるに決まってんだろ。」

少し低い位置から、冷静でいて、真っ直ぐな声が告げた。

椅子に足を組んで座っている彼こそがこの船の船長、キャプテン・マーベラスだ。

ルカ、ハカセ、アイム、ジョー そしてナビィが頷くと、今度は

「お兄ちゃんたちなら、きっと手に入れられるよ。」

マーベラスのすぐ隣にいる少女がふんわりと笑った―――。
 
 
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