ゴーカイジャー短編
□かんだちジェラシー
1ページ/4ページ
それは轟々と雷鳴が唸るある日のこと…
かんだちジェラシー
「も…さいあく!!!」
見張りをしていた筈のルカがドタドタと騒がしく階段を鳴らした。
「どうなさったのですか?」
アイムが訊ねると、ルカは たった今ハカセがしまおうと抱えた洗濯物の山の“1番下”からタオルを抜き取った。
「あああああああああああああぁぁぁっぁあぁああっ」
「雨よ!雨!!!しかも雷!!!」
答えたルカは 叫ぶハカセに『うるさい』と一発お見舞いして、濡れた髪にタオルを被った。
丁度その瞬間、激しい雷鳴が轟いた。
気付けばガレオンの小さな丸窓は小さな雨粒に濡れていた。
「やべぇな」
するとこれまでまるで興味を示さなかった男が声を発した。
「どうした、マーベラス。21…22、23、24…」
そんな彼に続いたのは日課のトレーニングである腹筋を涼しげにこなすジョー・ギブケン。
「ゴーカイガレオンには放電装置がねぇ。だよな、ハカセ」
「いたっ…え、あぁ…うん。だからいたいってばルカ!!!」
憐れなハカセは悲痛な叫びをあげながらもマーベラスの問いに答えた。
「仕方ねぇ…いったん降ろすか」
「うん、ぼくもその方がいいと思うよ。」
「まだ雷雲さんが遠いうちに そのようにいたしましょう。」
同意するハカセ、アイムにマーベラスも頷き返し、豪快に舵を切った。
「・・・・。」
そんな様子を横目に、いつの間にやらトレーニングを切り上げたジョーは静かにロビーを去った。