ハリー・ポッター短編

□愛執
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「…ぁ…んっ…」

「フッ…こんな程度で 随分と良い声を出すんだな」

「違っ…!!!///」


赤面するアヤメが可愛くて、潤んだ瞳が美しくて。


「………このまま続きをするのも悪くないかもしれないな。」


そんな彼女を僕だけのものにしたくて、独占欲に満たされて溺れて。

このまま 愛執に狂ってしまいたい―――…。



強張る細腕を引くと すんなりと僕の腕に倒れ込む。


「やめて…」


涙ぐむ瞳で訴えかける君は綺麗だ。


「誘ってるの…?」


伝い零れた涙を追うように 柔らかな頬を指でなぞる。


「そんな訳、ない…よッ…!」

「じゃあ君は無意識に…他の男にもそんな表情するのか?」


君がそんな表情を見せたなら どれほどの男が欲情すると思う?

君はあまりに罪深い。

そのまま顎に指を掛けて 真っ直ぐ僕の方を向かせる。


「してな……ッ…!!!」


言い訳なんか聞かない。

聞こえない。


「んぅ…ふっ……ゃ…ぁ…」


だって僕が その唇を塞いでしまうから。

微かに香る果実の香りに アヤメの今日のおやつなんて想像しながら、僕は口内を侵していく。


「っ…やぁ…っ……ぁ…」


君は僕の胸を叩いて抗うけど、僕はそんなもんじゃ止まらないよ?

歯を舐め上げて、舌を絡め取って、吸い付いて。


空いた左手で アヤメの黒髪を抑えつけ、先程の指を降らせていく。

合間に酸素を求め 咀嚼している喉元を

僕が咲かせたシルシを撫でる。

そのまま身体をなぞり、怯え 退けた腰を捉えたところで唇を離してやると、アヤメは口端からどちらのものともつかない唾液を垂らした。


「そんな顔をしていても可愛いな」


零れ、涙と混ざり合ったそれを舐めとると、アヤメはぽつりと呟いた。


「ドラコ…こんなことするのやめて…っ」

「いつもしてるじゃないか?」

「こんなのいつものドラコじゃないっ…!!!」
 
 
 
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