novel
□永遠の別れ――…
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残りの寿命が後3カ月しかないと松本先生に宣告されてから、季節は夏から秋へと変わり、そして冬へと変わり始めようとしていた。
俺は先生の言われた期間を過ぎてもまだ生きている。
だけど次に発作が出たら、もう―――…
「千鶴…」
「どうしたの?平助くん。」
俺の体はもう自分の力では起き上がることすら出来なくなっていた。
だから俺が呼べば、いつも千鶴は近づいてきてくれる。
「手……繋いでくれないか?」
「いいよ。平助くんが眠るまでずっと繋いでてあげる。」
「…ありがと。」
最近は起きているのが、正直辛い。
だけど、寝るのが怖かった。
このまま寝てしまったら、もう目が覚めないんじゃないかって…だからいつも千鶴に手を繋いでもらっていた。
だけど、自分の体だから何となくわかる。
別れは、すぐ其処まで近づいて来ていることを―――…。
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