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今日は千鶴や平助達の通う学校の文化祭である。誰もが浮かれるその日に、一人落ち込んでいる平助がいた。
「千鶴は絶対に、俺のクラスに来るなよ!」
「…どうして?」
「どうしてって…お前に見られるの恥ずかしいじゃんかよ。」
「そうなの?私は見たいなっ!……平助くんの女装姿。」
ずっと平助が落ち込んでいた理由…それは女装だった。
平助のクラスは男子を働かせようという女子の企みにより、文化祭の出し物が女装喫茶に決まったのだった。
ちなみに女子は裏方の仕事することになっている。
「兎に角ダメだ!男の女装姿なんか気持ち悪いだけだから!!」
何度も何度も千鶴に念を押して、平助は準備の為クラスに戻って行った。
クラスに戻って行く平助を見送ると、千鶴は友人である千姫と合流した。
「じゃあ千鶴ちゃん、さっそく藤堂くんのクラス行きましょうか。」
「うん!付き合ってくれてありがとう。お千ちゃん!」
(平助くん、ごめんね。やっぱり見たいもん!)
と心の中で謝り、ちゃっかりデジカメを持って千鶴は平助のクラスへと向かって行った。
平助のクラスに行くと思っていた以上に女装喫茶は繁盛していた。
そして、中に入るとメイド服を来た可愛い女の子が二人を案内しようと近づいてきたのだが…
「いらっしゃい…ってち、千鶴!?」
こんな可愛い女の子と知り合いだったかな?
なんて思ってよーく顔を見れば、それは千鶴が良く知る人だった。
「…もしかして、平助くん!?」
何を隠そう、この可愛い女の子の正体は平助だったのだ。
平助はメイド服を着ており、またウィッグを付けて少し化粧をしている。
どこからどうみても女の子にしか見えなかった。
「…平助くん…女装似合うね。すごく可愛い!!」
「褒めてくれてるんだろうけど…俺、全然嬉しくねーよ。」
そう落胆する平助を余所に、千鶴は平助と一緒に写真を千姫に撮ってもらうなど、存分に平助の女装姿を楽しんだ。
しかし、平助の不幸はまだ終わらなかった。
千鶴や他の女子からの要望もあり(男子からの要望も少しあったとか…)
本来は働く時間だけ女装をすれば良いはずだったのに、働き終えた後もずっと女装姿で過ごさせられたのだった。
end ※2011/10/03〜2011/10/30掲載