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□C
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「こんばんは。」

「「「あー!!千鶴さんだ!!」」」



千鶴が扉を開けて声を掛けると、胴着を来た子供達が一斉に集まってきた。



「おい!まだ練習は…
 って千鶴!?お前どうしたんだよ?」

「あの…雨が降ってきたからお迎えに…」

「だからってもうお腹だって大きいのに…
 途中で転んだりしたらどうするんだよ。」

「大丈夫だってば…
 平助くんは心配しすぎだよ。」






お腹に新しい命を授かってから、平助くんは前よりもずっと過保護になった。

何をしていても、俺がするからと言って…
本当に平助くんって心配性だよね…。









二人はあれから、住んでいた街を出た。


そして小さな村に辿り付き、親切な村の人々はそんな二人を歓迎してくれた。
そして、平助は昔から続けていた剣道を子供達に教えながら生計を立てている。

そんな二人に子供が授かったのは、9か月前のこと…







「ったく、あんまり無理するなよ…」

「本当に大丈夫だよ。
 それにずっと動かないのも駄目だから…」



あれからしばらくして、練習は終了し…
子供達が帰るのを見送り二人も帰路に着いた。



「もうすぐだね…」

「あぁ、早く逢いてー!!」

「きっとお腹の子もそう思ってるよ。
 だって、毎日元気にお腹蹴ってるから…」








今までに色々なことがあった。

沢山悩んで、沢山泣いて…
だけど、これからはその分沢山笑って…








「ねぇ、平助くん…」

「……ん?」

「男の子と女の子、どっちが良い?」

「そうだな…
 元気に生まれてくれれば、俺はどっちでもいいかな…」

「……うん、私も…」









決して裕福な暮らしだとは言えないが
二人にはそれ以上に小さな幸せが沢山ある。

そしてこれからは…
三人でその幸せを、築いていく――…

























『千鶴!!大きくなったら…
 俺のお嫁さんになってくれ!』

『……うん!!
 私、平助くんのお嫁さんになる!!』

『絶対、約束だからな!』

『うん!平助くん、大好きだよ!』

『俺も、千鶴がすっげー好き!』




end
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