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□C
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その後、千鶴は平助の誤解を解いた。
原田の助言を受け連絡をしなかったこと、保育園にも行かなかったこと。



『……左之さん、覚えてろよ。』

「先生…
 さっきの言葉、嘘じゃないよね?」

『嘘な訳ねーだろ。
 ってか今まで気が付かなくてごめん。』

「ううん…」

『なぁ、千鶴…
 もう三十路手前のおっさんなんだけど…
 お前が好きなことに変わりはねーんだ。』

「……っ…」

『俺と…付き合ってくれねーか?
 お前のこと、絶対に大事にするから…』

「………はい。」
































「先生、緊張してる?」

「当たり前だろ。
 お前の両親に会うんだから…」

「大丈夫だよ。
 二人とも先生に会うの楽しみにしてるって言ってたし…。」

「……おぅ。」


さて、その楽しみというのは…
良い意味で楽しみなのか、もしくは悪い意味での楽しみなのか…


「千鶴…
 お前は本当に後悔してねーか?」

「……してないよ。
 先生を選んだこと、後悔なんて一生しないもん。」

「そっか…。
 じゃあ俺も、お前の両親に頭下げねーとなぁ。」


平助は気合いを入れ、千鶴に促されるままに家の中へと入って行った。







ねぇ、先生…
初恋は叶わないって言葉、嘘だね。

だって私の隣には、初恋の貴方がいる。

きっと…
この先も、ずっと一緒に――…



end
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