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□B
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昔、この森の奥には1つの国があった。
争いを嫌い、また国の秘宝を守る為に…
国の人々は人里から離れた。
森には人を迷わす結界が張っていた為、他国の人間が森に1歩で踏み入れば、国に侵入するどころか森からも出られなくなった。
しかし、其処に一人の術者が現れた。
依頼を受け、何日も掛けて結界を破り
隣国の兵士はその国に、次々と攻め込んだ。
「お婆様、その後お国はどうなったの?」
「国は滅びてしまったよ。
そして、秘宝も無くなった。」
「そんな……」
「だけどね…
攻め込んだその国も、翌日には滅んでしまったんだよ。」
「…えっ…どうして?
だって、その国は勝ったんでしょう?」
「そう誰もが思っていたんだけどね…
滅びたその国には、秘宝を守る人間が居たんだ。」
「……守る、人間…?」
「最後まで秘宝を守ろうとしたその人間は、たった一人生き残ってしまった。
そして、たった一人で国を滅ぼしてしまったんだよ…」
一人生き残ってしまった青年の心には、大事な人を護りきれなかった後悔しか残っていなかった。
そして、その後悔を盾にして命の限り剣を振るった。
それは、一つの国を潰すまで――…
to be continued...