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「ロイが私を布団で寝かせてくれたの?」

「ん?まぁ、そういうことになるの...か?」

「ありがとう、おかげでよく寝られちゃった。」

「そんなことはかまわないが...積極的だね。」

「ばか。今までどこにいたの?いくら探してもいないから...」

「?覚えていないのかい?」

「へ?」

「メモも残さず散歩に出て、帰ってきたらそこで泣きながら血の気を失ったような顔色で痛みに苦しみ眠る君を見たときは心臓が止まるかと思ったよ。」

「...」

「なにかあったのか気が気じゃなくてね、眠る君を起して、話もしたんだが、」

「思い出した。」

「...心配させてすまなかった。」

「さっき聞いたよ。だから謝らないで。それに私も心配させたから。
...
夢じゃ、なかったんだね。」

「あぁ、夢じゃない。私はここにいる。」

「うん」

「大丈夫だ。何も心配いらないから。」

「うん」

「私は生きてここにいるから。」

「うん...ロイのぬくもりと心臓の音、安心する。」

「よかった...」

「腹の具合はどうだ?」

「今は薬が効いてるみたいで大丈夫。」

「よかった。」

「ありがと。」

「いや、女性は大変だな。」

「でも子どもを産める何にもかえ難い幸せがあるから。」

「それも命の保証はないだろう?」

「それを言うならロイの仕事だってそうじゃない。心身ともに、痛みを伴うし、命の保証なんて無い。」

「まぁ...そうだな。」

「でも、無事でよかった。生きててよかった。」

「ありがとう。」



私のハグを拒否するでなく、抱き返してくれて背中をぽんぽんと叩いてくれるから

不安でぐちゃぐちゃになってた心がだんだん落ち着いていく
落ち着くなぁ
なんかすごく落ち着く
なんでこんなにってくらい落ち着く



おかげで

思考も正常に働いて

自分のしたことと現状に気付いてしまった。



やばいやばいやばい。
私は何をやっているんだ。
不安と安心に負けて、自分から抱きついてしまった今の状態はまだ良しとしよう。
いや、よくないけどね。
まだ良しとしよう。
私、布団で寝るとき何した?
ロイに布団に寝かしてもらって何をした?
あれは夢?いっそのことあそこだけでも夢であってほしいけど、そうは問屋が卸さないだろう。まぁなんて懐かしいフレーズ。
いやいやいや。
もーやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ
私は私が怖いです。ほんとなんてことをやらかしてしまったのか...一緒に寝てもらうなんて...腕枕してもらった上に抱きしめてもらって寝るなんて...それも私からお願いするなんて...
駄目だ。いくら生理前と生理中に情緒不安定になるからといって、していいことと悪いことがあるだろう私。もう恥ずかしいだけじゃないですよ。怖くて顔見れないじゃない。なんて恐れ多いことをあのロイ・マスタング様にお願いしてしまったんだろう。マスタングファンにヤられる。そして和真にもしばかれるだけじゃ済まないだろう。
ロイもなんで受け入れてくれるかな。マリア様ですか?仏様ですか?ガンジー?マザーテレサ?なんでそんなに優しいの?NOと言える人にならなきゃほんとにそのうち痛い目見るよ??

...とりあえず放れて謝ろうか。
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