歯車T
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「すごい、そっくりですねー。私も『鋼の錬金術師』好きですよ。ロイさんもかっこいいですよね、あんな上司ならどこまでもついて支えていきたい、」
天パって何いってるのか自分でももーわからん。いったん思考は停止。なにも考えるな私。
「『鋼の』?そんな錬金術師の話は聞いたことはないが...ありがとう。君のような人にそんなに行ってもらえるとは嬉しい限りだが、君のようなひとを戦場へは連れて行きたくないな。
...ところで、私のことを知っているのかね?...いや、それよりも、ここは一体?」
「ここは私の家です。」
「...そうだな。地名を聞いても?」
「大阪です。あぁ、地図見ます?確かこないだ市からMAP送られてきてたはず...」
「大阪...」
棚をごそごそしながら地図を探すものの見つからないから、PCを開いてgoogleで地図をだして、大阪と繰り返し呟きながら眉間をよせ考え込むしぐさをするロイ?さんを呼んで地図を見せると、しかめられる綺麗な顔。
「これは一体?」
「え?地図だけど...」
「この置物が地図?明るいな。動くようだが...紙ではないのか。」
「ん?ああ、これ?これはパソコン。この画面に映ってるのがこの周辺の地図。」
「この模様は?」
「模様?道路?...もしかして文字のこと?」
「...これが文字?」
「読めなかったり?」
「そのようだ。もう少し広範囲の地図を見ることはできるか?」
「もちろん。」
言われてすぐに日本全土が見れるほどの広範囲にすると、ロイさんの目が見開かれる。
「広くしすぎちゃいましたか?これが日本全土の地図。ここが今いる大阪。」
「日本?国か?聞かん名だな...」
「...で、ロイさんはどこからきたんですか?このあたり全然わかりません?」
「気が付いたらこの近くにいたんだ。それまではダリハ地区で作戦を遂行しているところだったはずなのに...この傷はその時に負ったものだ。」
「ダリハ地区...どこですか?」
「アメストリスの東、イシュヴァールにある地区だよ。そこで作戦の最中だったんだ。」
「...」
「爆発に巻き込まれてね、、気がつくとダリハと似ても似つかんここにいた。場所を確認しようにも、壁や電信柱に書いてある文字は読めない。」
「...」
「人を見つけて聞こうにも、声をかけても無視をされるし、腕をつかもうにもつかめなかった。まるで透き通るように...無視されているのかと思ったが、見えてなかったんだろう。前に立っても通り抜けて行ったよ。...ひとみに会うまではここはあの世なのかと思っていた。」
「...イシュバール...」
「あぁ。...近くを探してみたが、味方もイシュバール人も見当たらない。...部下を戦場に置いてきてしまった。早く戻らなければ...」