歯車T
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只今、
ランチを終えて図書館へ向かい中。
どこの図書館に行こうか迷った。
市立の図書館か、私立の図書館か、
でも家の近所だとそこまで本の種類や数は多くない。
なら少し遠くなるが、母校の大学の図書館か、国立の図書館か...
そういえば家の近くに国立大学の付属図書館があったはず。
調べてみると一般利用もできるみたいだが、近いとは言っても、歩いたら30分弱はかかる。
ただ、まだまだロイの体は完全じゃないから、そんな体でこの真夏のいい天気の下をそんなに歩かせるのもなぁ...
タクシー呼ぶか!
いや、だめだ。
いつ帰れるかわからないから、一人で行き帰してもらうこともあるかもしれないということを考えるとタクシーじゃだめだ。運転手さんビビらせてしまう。
...あ!!
チャリがある!!
一人1台だとロイのこと見えない人の心臓が止まるかもしれないから2人乗りならありか。もー長いこと前には乗ってなかったけど、昔はよくしてたしできることを信じよう。
と考えた結果
只今
後ろにロイを乗せて
汗だくになりながら
近所の大学まで
ちゃりんここいで大爆走中。
いやーあれだね。今の私、女らしさ皆無だと思うよ。でもこんだけ汗かけたら痩せれるはず。1日で何キロ落とせるか楽しみになってくるぐらい。彼氏も見直してくれるかしら。
汗だくの私の肩を持たせるの、なんだか悪い気もするけど、そこは我慢していただきたい。
いやーにしても、食後にこの運動量はなかなか内臓がおどっているようだ。
途中、そんな私を心配してくれたらしいロイが「変わらせてくれないかい?」と声をかけてくれたが、「やだ。いいダイエット邪魔しないで」って一刀両断すると後ろから小さく「どこに痩せる必要があるんだ。今くらいでちょうどいいのに...」なんてぶつぶつ聞こえてきたが、そこは無視して突き進んだ。相変わらず、優しい人だ。
あぁ、水筒持ってきておいてよかった。
すぐなくなりそうだけど。
水筒2本ぐらい用意しとけばよかった。
水分ほしいすいぶn...
図書館について、駐輪場を探す。初めてくるところだから心配だったがすぐ見つかった。
よかった。この疲れの中歩き回りたくないもんね。
図書館に入り、どんな種類の本がいいのかロイに確認する。「そうだな...」と少し考えている間に、私は図書館の入口に置かれてある館内案内図を確保。ロイが「化学」「物理学」から「伝記」に亘る様々な種類を言い上げていくと同時に、私は案内図にチェックをつけていく。ついでに他のものにも読み仮名をつけていく。これでロイも少しは探しやすいかな。
漢字は教えてないから、できるだけ困らないように案内しながら説明し、漢字を読み上げていく。
館内を回り、いくらか...じゃないな。どっさりと本を、本棚の近くのテーブルに移動させてそこで読み始めるロイを片目に、こんなに汗かいたままクーラーの効いた部屋にいたらお腹通すだろうなと、なんとなく掌をお腹に手をあてていた。