歯車T
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夕食を終えて食器を片づける。
私はまだスイカしか食べてないから、片づける食器の量はかわいいものだ。
だから一人で大丈夫って言うのに、何もしないのはこちらも気を遣うし体もなまると言い、手伝ってくれる。
大佐は仕事をよくサボるってイメージだったけど、そんなことはない。
よく気遣って動いてくれる。
まだ若いから?ってのが理由じゃないだろう。
ロイの奥さんになる人は幸せだと思う。
ヒューズさんの言うとおり、早く落ち着いたらいいのに。
もったいない。
やっぱり相手はホークアイ中尉かな...
切っても切れない、強く太い絆あるもん。
そしたらロイ、きっと尻に敷かれるんだろうなぁ。
でもいざというときはどんと構えて守るんだろうな。
...心配だろうなリザさんのこと。
向こうの世界のロイはだーなってるんだろう...
数が少ないから食洗機は使わず、
食器を洗う私、拭くのはロイと役割分担。
それもあっという間に終わった。
一人より二人だね。
「あ」
「どうした?」
「ねぇ、お風呂どうする?」
「お風呂?」
「昨日は傷のこと考えて体拭くだけにしたでしょ?」
「あぁ。」
「よく動けてるし状態が落ち着いてるなら、シャワーしてもいいし、まだまだ難しそうなら拭いてもいいし。今日は汗かいたでしょ。汚れ落とさなきゃ傷口にもよくないでしょ?」
ロイには食後のコーヒー
私には紅茶を入れてリビングへ移動しながら話を続ける。
プルルルッ
プルルルッ
すると響く無機質な音
この時間なら電話の主は和真だろうと、「ちょっとごめん」と会話を止め急いで携帯にでると案の定受話器の向こうにいたのは和真で。
今から帰るからあと一時間半はかかるという。
出張後に会社寄って、今からそんなにかかるんだ...
ラッシュの時間帯ではないけど、たいへんだなぁ...
もう八時半だし。
じゃあ帰ってこれるの十時だし。
それからご飯だし。
労わってあげなきゃ。
ビールもつまみもご飯もデザートも用意してるし
お風呂の準備もしちゃわなきゃだ。