歯車T

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何だろうこの感じ。



父親にむけるような

絶対的な安心感と信頼感。



ちょっと違う?

でもそんな感じ。



この人が隣にいてくれてたら

何も恐れることはない
何も心配することはない



何があってもきっと

受け止めてくれる
守ってくれる
包み込んでくれる



この人の笑顔を見ているとそう思えてしまう。

そばにいてくれるだけでこんなに心強い。




不思議だ。




出逢ってまだわずか三日目で、
こんなに心の中に入ってきて支えてくれる人がいるのね。
心配してくれて安心させてくれる人がいるんだね。

ロイが隣にいてくれるおかげで
今まで心にのしかかってきてた暗くて重いものが晴れていく。
心が軽くなる。

昨日の散歩のときも感じたけど、
今日はそれ以上に恐怖なんかなくて、
この世界はこんなに綺麗な世界だったんだって煌めいて見えた。



私の周りを駆け回る愛らしいユキ。

人や車が来たら庇うように間に立ったり
隣に立ってあたたかく見守ってくれているロイ。



幸せに包まれてる感じ。

なんだかむず痒い。



和真へ向ける気持ちとは違うけど
親へ向ける気持ちとももちろん違うけど
本当にこの人も大好きだなとしみじみ思う。



不謹慎だとは思う。

でも

こうしてロイがこの世界に来て私と出逢ってくれた奇跡のような現実に感謝したい。

こんなに幸せな、あたたかい気持ちにさせてくれるロイに感謝したい。



私ばかりこんな気持ちにさせてもらってるんだろうなと思うと罪悪感も出てくるけど、

今なら

それ以上の幸せをロイに感じさせてあげたいと思えてしまう。

これは夕陽パワーなのかしら。



私が感じているような幸せを、
隣を歩いてくれているロイも感じてくれてたらいいな。


今日か明日か一週間後か一ヶ月後か

いつか分からないけど
いつか自分の世界に帰ってしまうロイ。


これまでも、これから先も

苦労、怒り、苦痛
悲しいことや、辛いこと、
たくさん待ち構えているんだろうけど

それ以上の
それをかき消すような幸せが
いつでもロイの隣にありますよに
そう願ってやまない。
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