私の生きる道

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「五郎さん、お仕事も大変だと思いますが、どうぞご自愛くださいね。」

「時尾も、道中気をつけてくださいね。」

「ありがとうございます。」

「送れなくてすみませんね...」

「そんな...こちらこそ、いつ帰って来られるかわからなくて...早く帰ってこれるように頑張りますね!」

「頼もしいですね。でもくれぐれも、」

「えぇ、気をつけます!じゃあ、いってらっしゃいませ!」

「いってきます。時尾も、いってらっしゃい。」

「いってきます!」



一瞬眉をしかめて謝ってくる表情に、五郎さんの顔してるときはどこまでが本心からの言葉なのかわからなくなる時がある。

気をつけろって本気で言ってくれてるのか...
言ってくれてるんだろうな。
五郎さんだと感情表現が若干素直になってくれるから、ちょっとこしょばい。
まぁ、おちょくられる時も多いんだけど。



武田は雑魚だけれど備えはあるだろうし
緋村剣心のこともある

気をつけなければならない程のことなんてきっとないだろうけれど、備えあれば憂いなしというものね。

一さんの顔のときは、照れ屋なのかあまり言ってくれない気遣いの言葉と
一さんの顔のときでも、私を甘やかしてくれるときに髪を撫でてくれる手に
顔は緩んでしまうけど

緩んだ頬に力をいれて満面の笑みで「いってらっしゃい」の挨拶を交わして、仕事に向かう五郎さんを見送ってから私も家を出た。










それが今朝の話。

なんだか幸せだったなー...

早く終わらせて、早く帰りたいや。
武田シメるだけなら朝飯前で一瞬で終わるのに...
力量測るんなら一さんが「幕末の決着つけよう」とかいって乗り込めばいいだけの話じゃないの?
まぁ、測るどころか真剣な斬り合いに発展してしまいそうな気もするけど...
どっちにも死んでほしくないし、
きっと、ずっと探してるんだって何回も言ってた上に隙を見ては探しに行ったりしてたから、今回はわざわざ私に話をまわしてくれたんだろう
なんて考えたら一さんの計らいには一さんらしい優しさを感じてしまう。

頑張らなきゃ。

でもやっぱり

会いたくないなぁ...

万一あってもばれないように、念入りに変装しなくちゃ。










そう思って変装に精を出したのが昼ごろの話?

今は武田の家の前で門番といい合いになっています。
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