私の生きる道
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コンコン
「蒼紫様。客人が、」
「あぁぁぁぁおぉぉぉぉぉしぃぃぃぃぃぃぃいいい!!」
「煩い。」
般若さんが戸を叩いて中に声をかけてるのがなんだかまだるっこしくて待ちきれなくて
般若さんの言葉を遮って大声で中にいる人の名を叫んでみた。
ら、
般若さんに怒られる前に中から姿を現した蒼紫が私の声を遮るように一言言いはなってきた。
うん、懐かしい。
相変わらず可愛い奴。
敵陣とか関係ない。
「蒼紫ひっさしぶりやなぁ!元気しとったか?」
「...見てわかるだろう。何故ここにいる?」
「相変わらずやなァ!会いにきたんやん!可愛い弟がいるって知ったらもう会いに来なってなるやん!積もる話あるんやけど、今いけるか?」
「...かまわない。こちらとしてもお前に話すことがある。」
「お?嬉しいねぇ!場所変えようや!美味い茶屋とか知らん?東京住んで長いけど、この辺あんま知らんねん。みんなにも会いたいんやけどなァ、元気しとる?」
「...般若、ここは任せる。行くぞ。」
「御意。新津、あまり遊ぶなよ。」
「あ、おい!ちょお待てや!無視とはいい度胸しとんなァおい!ちょ、待てって!般若さんまた後でなァ!!」
久しぶりの姿にもう心は絶好調。
可愛い蒼紫の頭を撫でてやろうと手をのばしたら軽くはたかれた。
弟扱いしたら一瞬眉間に軽く皺が入ってた。
こっちの話を聞き流しているように返事もしないのも相変わらずで
それでもこっちの話もちゃんと聞いてて、多分これからお勧めのお茶屋さんに連れて行ってくれるんだろうと思ったら
うん
可愛過ぎる。
素直に甘えたらいいのに。
素直に再会の喜びを表現してくれてもいいのに。
そりゃあ般若さんからもほのぼのとした空気流れてくるよ。
あぁぁぁぁああもう!
グリグリしてやりたい!!
しかし今は仕事先...
大丈夫!
冷静になれる!
湧き出る欲求を抑えるんだ私!
大事な仕事の話もしなきゃいけないんだから!
振り返ることなく前を歩いていく蒼紫の後を追った。