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すっかり目も冴えてしまったから、二度寝するのを諦めた。

リビングで手紙を抱きしめるように持ち、考え込んでいるとあっという間に時間も過ぎてて、気がつけばいつも起きている時間が近づいていたから。



顔を洗い、
さっきシンクに入れた食器を洗う。
お弁当も用意してしまおう。

おにぎりを握って冷まし、
昨日の残りのから揚げは甘酸っぱいアンに絡める。
副採は適当に、トマトとアスパラベーコンと、出し巻き卵と...あと何がいいかな?
冷蔵庫さんと相談しながら作っていく。

お弁当に詰めるのができたら
冷やさなきゃならないので
冷やしてる間に素っ裸で気持ちよさそうに寝ている和真を叩き起し、軽くシャワー浴びてる間に朝ごはんとお弁当の用意を済ました。



「顔色酷いで?土みたいな色して、生理か?」



準備できたお弁当と水筒をカバンに入れてたら声が聞こえた。

声の方に目を向けてみると、ちょっと心配そうな和真。



「そーいえば朝から腰痛いしお腹も重いの...和真のせいかと思ったけど生理なのかな...」

「ん?なにが俺のせいって?」

「心配してんのかからかってるんかどっちよ。トイレ行ってくる。」



心配してくれてるのかとちょっと嬉しくなったら今度はニタニタと表情変えてからかってくるから、ほんと子どもかと思った。
そーいえば起きてからトイレ行ってない...
確認ついでにいっとこうか。





そしてトイレで出てきたのは


ボタボタと効果音が聞こえてきそうなほどの血...





あぁ、だから腰もお腹も痛かったんだ。
そーいえば眩暈もしてた。
食欲もない。

納得。

いろいろあって忘れてたけど、そろそろ1カ月だったのか。

下着汚れなくてよかった...









しまった!!


早く薬飲まなきゃ歩けなくなる!!


生理痛重いんです。
初日は歩けなくなるんです。
基本寝たまんま。
仕事と被ったら薬飲んでなんとかして行くけど、仕事終わる頃には体ボロボロになってダウンするんです。

ロイと今日も図書館行くって決めてたのに。
力になるんだって気持ち新たにしてたのに。

自覚すると尚更フラフラ&ズキズキしてくるものだから、病は気からっていうことわざもあながち間違いではないんだろうと思う。



「やっぱり生理来てたーよくわかったね。」

「何年付き合ってると思ってんねん。」

「何年になるっけ?」

「5年。」

「...まだ3年も経ってないですけど。」

「俺には5年にも10年にも感じれるっっちゅうことや。」

「長くなってるやん!...よくゆう。どうせ覚えてないんでしょ。」

「なにゆーとんねん。自分が忘れとるだけやろ。出逢ってすぐに二人の付き合いははじまっとってんぞ?」

「であってまだ3年ですけど。」

「ボケてしもたんか...」

「そっちがね。」



リビングに戻ってソファに座りこむと、薬と水を持ってきてくれる。
ほんとに生理が来たってわかってたみたい。

そのままおちゃらけてくる和真に力が抜ける。



「別に夜も飯作らんでいいから薬飲んでゆっくりしときーな。」


見送りいいからってそのまま仕事に行こうとする和真を追って玄関まで行くと


「こんでいいのに。気使うやんけ。」


なんて言われたけど


「まだ大丈夫やし。舐めんでくださいー。」


って返した。
そんな憎まれ口叩きあうのも楽しい。
不器用なこの人の優しさも嬉しい。


「いってらっしゃい。気をつけてね。」

「ほないってきますー。」


笑わせようと変な顔しながら出ていく和真を、笑いをこらえて見送った。
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