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「フッフッハッ」


「しっかりしろ!!」


「血が止まらない!なんでっ!!」


「だれかっ...」



「神様...」


「いやだぁぁあ!」


「逃げろ!!」


「だれか助けて...」


「死にたくない...死にたくない...」


「あんただけでも逃げて!!」


「くっ......」


「死ぬな...!!」


「これが...お前たちの望む...錬金術の、使い方か...」


「人々のための技術では、なかっ......」


「ぎぃいあぁぁぁあああ!!!」


「だれ...か......」


「恨みます」
 















助けを求める声

恐怖に怯える声

唇の周りにべとつく人間の油

人の肉が燃える臭い

守れず死んでいったものたちの顔

この手で殺した者たちの顔

屍の山が視界を覆う



頭を埋め尽くすのは、イシュバールでの殲滅戦

忘れてはいけない

忘れられるははずもないが...

目を背けてはいけない

そうは思っても視界を覆い尽くすその光景に思わず目を伏せれば

それは消えることも小さくなることもなくてより大きくなって私を覆い隠す



私はいつまで殺し続けねばならんのか...



耳元で大きさを増していく声に

視界を、周りを覆う光景に

我慢できずに目を開けると

景色が一変した
 
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