いつまでも夢に溺れていれたなら

□「今日はたまたま歩いて帰りたい気分だったんだ。」
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「店長お疲れ様です!お先失礼します!」

「おう!気をつけて帰りな!」

「ありがとうございます!」

「えーひとみちゃん、もー帰っちゃうの?」

「ハボックさん!すみません、ゆっくりしていってくださいね!本当に来てくれて嬉しかったです、ありがとうございました!」

「もう遅いし送ろっか?」

「大丈夫ですよ、すぐ近くなんで!では失礼します!」





いつもは朝から夕方までとか働くことが多いんだけど、今日は従業員の一人が風邪をひいたとかでその子の変わり夜まで入ることになった。

いやー
一日フルで働くのはさすがにきついね。
お陰様で昼も夜も賄いでたから食費浮いたし、間休憩もぼちぼちもらえはしたんだけど。
でもやっぱり疲れたー!
帰ったらお風呂はいって即行で寝ようと思います!

疲れ過ぎて体はくたくた。

若干ナチュラルハイになりながらも店長に挨拶をすると、ハボックさんが声をかけてくれた。
同僚の皆さんと一緒に楽しそうに話してたのに、わざわざ抜け出して来てくれたのがなんだか少し嬉しかった。

でも相手はお客様だし、せっかく皆さんで楽しそうなのを邪魔したくないし、ありがたいお言葉を丁重にお断りしてからロッカーへ急いぐ。

にしても、ハボックさんはほんといい人だなー。
昼過ぎの落ち着いた頃に店先掃除してたら丁度見回り中らしいハボックさんが通りかかって、そのときに「今日は珍しいことに夜も働いてるんでよかったら仕事上がりにでもご飯食べに来てくださいね!」なんて言ってみたら本当に職場の皆さん引き連れて来てくれたから、正直すごく嬉しかった。
今度ビール1杯おまけしてあげよー。

職場の皆さん...?
そう言えばマスタングさんとホークアイさんはいなかったな...
お仕事忙しいんだろうな...
お仕事、なんだよね?
お疲れ様です。



制服から私服に着替えると、一気に体が重くなる。
制服しか入ってないは軽いはずなのに重く感じて、貴重品を入れたカバンも軽いはずなのに重く感じて、両手に分けて持つことにした。

帰るのも面倒くさい。
体力つけなきゃなー...
もう冬だし夜べらぼーに寒いしいくら家が近いといっても歩いたら10分はかかるし寒いの苦手だし疲れたし
帰るの面倒くさいなー...

でもロッカールームに泊まるわけにもいかないし、こんなところで寝たら凍死してしまうし何よりお風呂に入れないのは痛すぎるので
重い腰をあげて気合い入れて帰ることにした。
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