いつまでも夢に溺れていれたなら

□antenna
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with ヴァン・ホーエンハイム





「ねーねーホーさん。」

「なんだい?」

「なんでホーさんといいエドワードといい、アルフォンスといい、みんな触覚があるの?」

「...どこに?」

「あるじゃん。なんか引っ張りたくなる。」

「んん??」

「引っ張ってもいい?この間エドワードの引っ張ったら怒らけちゃったの。アルフォンス曰く、エドワードは身長低いの気にしてて触覚で全長稼いでるんだって。」

「なんだ。あいつそんなこと気にしてるのか。引っ張っただけで怒られたのかい?」

「うん、ちょっと髪の毛抜けただけなのにめっちゃくちゃ怒られた。
なんかけっこー前からコンプレックスみたいよ?身長なんて伸びるのこれからなのにね。」

「全くだ。何を焦っているんだか...」



「ねーねーホーさん。」

「なんだい?」

「ホーさんの触覚引っ張ってみてもいい?」

「アルフォンスのは引っ張ったのかい?」

「んーん、引っ張ろうとしたら『僕のチャームポイントがぁぁぁ』ってなんだか泣きそうな声出して震えてたからするにできなかったの。」

「チャームポイント?」

「うん。なんかね、もしなくなっちゃったら、ふんどし以外全部鉄の塊だからイカツくなっちゃうんだって。」

「なんだ。かっこいいのにな。」

「ねー?それにイカツい外見にあの声はチャームポイント以外の何物でもないと思うんだけど。それに引っ張るだけなんだからなくならないのに、大袈裟だよね。」

「...エドはどれだけ強く引っ張られ、」

「なんて?」

「いや?全く、何を二人して気にしているんだと思ってね。」

「二人とももっと自信持てばいいのにね。」

「そうだな。」

「ホーさん、二人が自信持てるようにちゃんとどっしり構えてお父さんの役目果たしてあげてね。あの二人、しっかりしてるけど、まだまだ子どもなんだから。」

「...あぁ、そうだな。」



「ねーねーホーさん。」

「ん?」

「そろそろ引っ張ってもいい??」

「そういえば、ほら、誰だっけな...ルイ・なとか・アームストリングさんだっけ?彼にも触覚があることになるのか?」

「うーん...あの人のは難しいところね。でも気にはなるから機会があれば見せてもらいたいと思うけど...」

「イズミさんは、」

「あれは前髪。」

「ピナコ、」

「あれも髪の毛。」

「じゃあ、」

「ホーさん!!」

「まあ一旦落ち着かないかい?」

「ホーさんが引き延ばすからじゃない。もう我慢できません。すぐすむから。」

「いや、ちょ、」

「大丈夫、痛くしないから。」

「待っ、」





ブチブチブチッ





「!!!!!」

「あ、ごめん。興奮して力はいっちゃった。」





それからホーエンハイムが真剣に鏡と向き合う回数が増えたとか減ったとか......
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