朝なんかこなくていいのに

□「残念だったな、もう全部飲んじまったぞ?」
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「マナーがなってねぇ...」


「ぁあ”?」


「サンジ君がいたら多分そー言われてるよ?」


「うっせぇ。」




いつも隙があればキッチンからお酒を拝借して飲んでるのに、
今日は珍しくコーラを飲んでる。
ごくごくって音が聞こえるぐらい勢いよく飲んでる。

そりゃ
口の端からコーラも顎をつたって流れおちるわ

金髪でステキ眉毛のもったいないお化けでてくるよ?

にしても
炭酸をそんな勢いで飲めるとかすごいよね。
私には真似できない。
2口でいっぱいいっぱいだから。
だって刺激強いでしょ?
涙でちゃうじゃん。



コーラが流れた跡を服の袖で拭うゾロ。

ねぇ、それだけだとべたべたするんじゃないの?気持ち悪くない?
なんて思うけど、
豪快で男らしくて色気なんてものまで感じてしまう私は発情期真っ只中なのかもしれない。



「っはー!たまにはコーラもいいな!」

「美味しそうに飲むよねぇ。」

「なんだ、飲みたかったのか?あぁ、だからじっとみてたのか。残念だったな、もう全部飲んじまったぞ?」

「大丈夫。後でもらってくる。」




筋トレ終わって、水分補給して、そのままいつも通り昼寝体制に入るゾロ。
今はいい天気だから絶好の昼寝タイムで
優しい風が緑の短い前髪を揺らす。
眉間に入った皺は、旅に出てしまったみたい。
ゾロから目が離せれない。
私も並んで寝てやろうかしら。



「で?」

「ん?」

「いつまで見てんだ?」

「んー...やっぱりちょっとだけ分けてもらおうかな。」

「何を?」

「コーラ。」

「コックんとこいくのか?なら俺の分ももー一本、」



ペロッ



「!!?」



話しながらも閉じた目を開けようとしないゾロに近づいて、口の端を舐めてみる。
私が近づいたことには当たり前のように気がついてたみたいだけど、まさか舐められると思ってなかったゾロは飛び起きた。
口元を手で押さえて、少し動揺してるみたい。



「ちょ、ヒトミ、おま、」

「んー、やっぱり拭きとられちゃってるし味もなにもあったもんじゃないね。」



普段特に何があってもドンと男らしく構えてる頼りになる副船長が、私なんかの行動で動揺してくれるのがなんだかちょっと嬉しい。



「女が寝込み襲うなよ。」

「コーラちょっと味わってみたかっただけですー。」

「あんだけ熱い視線向けといてか?」



でもすぐにその動揺も治まったみたいでいつも通り余裕が戻ってきちゃって少し残念。

でもさっきと違うのは、
ゾロの目が肉食系になってることと
口角がニヤリと上を上がってること。

なんか目光ってるように見えるのは気のせい?
この船に獲物になるようなの、チョッパーくらいしかいないんですけど。
でもダメ。チョッパーは私の癒しだから狩らせない。
ってかゾロ、顔近い。
ちょっと、近いって。ちゅーしたくなるって。



「ヒトミが襲わなくても、今夜にでも俺がお前の寝込み、襲ってやるよ。」

「な”」



私の顔の横を通りこして耳元で、低く囁く声に、今度は私が動揺させられる。





「それまではお互いオアズケだな。」





「で、お前らはいつまでそこで覗き見してるつもりだ?」

「なにおゥ?
俺たちャ仲良くコーラ飲んでただけだぜィ?
そうだろ野郎どもォ!!」

「「「「げっぷ!!!」」」」

「ったく、ゲップで返事するなよ。」

「みんな下品なんだから...」



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