朝なんかこなくていいのに

□「おっ!その気になってくれた!?」
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朝起きた。

なんかめっちゃぐっすり寝れた気がする。

隣にはスヤスヤと気持ちよさそうに眠る銀時。

口ちょっとあいてて、天パか寝ぐせかわかんないぐらい髪はぐちゃぐちゃ。あ、それは元からか。

可愛いやつ。



このあどけない寝顔みてると、とても満たされた幸せな気持ちになる。
起したら可哀そうだとは思うけど、なんだかすっごくちゅーしたくなってきた。

軽くなら大丈夫かな...



時計に目を向けると時間はいつもより20分も進んでた。
どうやらあれです。
寝坊したらしいです。
そりゃぐっすり眠れた感じになるよね。

ってダメじゃん!!
仕事送れる急がなきゃ!!


......


行きたくないなーこの寝顔をずっと見ていたい...

でもこの顔が甘いもの食べて笑顔になれるように、私も頑張って働かなきゃな...

うん!

ちゅーしてエネルギー満タンにして今日も仕事頑張ろう!!



銀時の顔に髪がかからないように後ろに髪をまとめてから、力の抜けきった口に自分の唇を重ねた。

重ねたらね?

重ねたらですよ?

寝てたと思ってた銀時の手がガッと伸びてきて私の背にまわっててね、がっちりホールドされてるんです。

いやいやいや寝てたんじゃなかったの?起しちゃった??



なんとか体の向きを反転させて布団から出ようともがいても、まずその腕から逃れることができなくて、終いには足まで絡みついてきてがんじがらめにされた。

こいつ、絶対起きてる。





「ちょっと放して。仕事遅れちゃう。」

「......」

「ねぇ放してってば。」

「......」

「おぉぉくぅぅれぇぇるぅぅぅぅううう」

「遅れて行けばいい。」

「な!!首になっちゃうでしょ!?」

「それで首にするようなケツの穴の小さい奴がいるところなんかこっちから辞めてやれ。」

「いやいやいやダメだから!!」

「仕事と私、どっちが大事なの?!」

「うっさい!!銀時が大事だから仕事するんでしょうが!!」

「/////」

「照れんな放せ!!」

「ムーリー」

「放れてってば。」

「嫌だもんねェェェェェ」

「放してぇぇぇぇぇ」

「瞳から放れてはいけない病が。」

「他の漫画から台詞パクッてくんな!!」

「だって?瞳ちゃんから目覚めのちゅーしてくれちゃうし?俺が大事だなんてそんな熱のこもった瞳で言われたらもう我慢の限界ってゆーか?」

「....そっちがその気なら....」





まず方向転換します。
寝たふりを決め込んでたのか無言だったのに、いつの間にかお馴染の掛け合いが始まって、馬鹿なことをほざきながらより力を込めてくる銀時に向き合う形になります。

次に手を銀時の脇腹辺りにあてます。
「おっ!その気になってくれた!?」なんて馬鹿なこといってるところを、それっぽく腰から撫ぜるように手を上げていき脇腹辺りまで手を持っていくのがポイントです。油断を誘いましょう。

そしてテンション上がっていく銀時をこしょばします。
Sっ気があるからされる側は敏感らしいです。故に全力でこしょばしましょう。遠慮はいりません。むせていようと怒りだそうと構わずこしょばしてください。込められている力が緩んだら、マウントをとって相手が疲れるまで存分にしてあげましょう。

最後に相手が疲れてきたら走って逃げます。
コレ大事です。疲れ方が十分でなければ逆に掴まって3倍返しどころか何百倍返しにされるでしょう。しっかり疲れさせたら全力で逃げます。



はい、これ、この間同じようなことがあって遅れた時に職場のドS王子の沖田さんにしてもらったアドバイス。
私にもできるくらいのだいぶ軽めのものを教えてもらいました。
教えてもらったことを忠実にこなしてみたら予想道理に効果があって、逃げ出すことに大成功。

ただ疲れさせ方が甘かったのか、着替えてたら「覚悟しろやコノヤロォォォォォオオ」ってすごい形相で復活して追いかけてきたから、身の危険を感じて化粧もせずご飯も食べず服も乱れたまま全力で職場に向かうことになったんだけど...
そんな恰好で言ったから、なんとか仕事には間にあったけど沖田さんにからかわれたのは言うまでもない。





......次はもっと入念に疲れさせなきゃ!!





瞳のやつ、いつの間にあんなあしらい方覚えやがったんだ?
誰かの入れ知恵か...
だからあんな野蛮なところでのバイトなんて銀さん反対だったんだ。
他に変なこと教え込まれてねぇだろうなぁ...
いや待てよ!?
それどころか変なことされてねェだろうな!?
ック!!
やっぱあんなとこすぐ辞めさせねぇと!!
そうと決まればグズグズしてる暇はねぇ!!





銀さんが普段以上に乱れた格好で真選組に乗り込んでくるまでもう少し...



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