白銀に輝く空

□其の五
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翌日の朝。

心配で眠れなかった青波とは真逆で、真太は上機嫌で朝帰りだ。


朝の日が昇る少し前に、真太はそっと部屋の襖をあけて入ってきた。


「おい。いままでどこ行ってた?」


寝転んだまま部屋に入ってきた真太に声をかける。

「あれ?起きてたの??」

「心配でねむれねかったんだよ。それに、いくらなんでも、部屋に人が入れば間がさめる。


「あは。ごめん、ごめん。でも、心配しなくたって、俺だってもう大人だぜ??」


「馬鹿か。だれがそんなころで心配するか。」

「じゃ、なにさ?ってゆーか、俺、昨日の夜はほんと最高だったんだぜ♪お前も来ればよかったなー。兄ちゃんに会えたんだぜ??」


(”兄ちゃん”??)


「おい。ちょっと待て。お前まさか昨晩は・・・。」

「そう。俺、かつr・・・むごっ!!」


ここは屯所だ、それは禁句だ。

という固有名詞を口から出そうとしたので、青波は慌てて真太の口をふさいだ。

ぐっと声を落として、

「馬鹿!!ここはどこだ!?新選組屯所だぞ!?」

耳元で早口にささやいて、青波はクチパクで”ここからは筆談。”ち真太に伝えた。


こくこくとうなずいて、真太も青波も紙に向かった。


”昨晩はなんだったんだ?”

と青波が始めると・・・


”間者の集会みたいなもん。昨日は桂さんも花門の兄さんもいたんだ。凄いだろ??”


(いや・・・凄いっていわれても、その凄いの基準が全然わからん!!)


”集会っていったいなにやんの?”

”主に情報交換。”

”"間者"同士で??”


”大切なことだ。”

”、桂さんと兄貴は何をしようと??”

”状況確認。お前のこと聞かれた。”

(・・・おれのこと・・・聞いてんのか。。。)


”で、お前は桂とかと朝まで飲み明かしたわけか??”


”そう!!”


とっても誇らしげなのは良いことだろう。
だが・・・


”お前、俺と一緒に目つけられてんぞ。”

”え??
”言われたんだよ・・・沖田さんに、だんご屋よってじゃだめだって。”


”ほんと??”

”うん。・・・

”やばいな。”


”だろ?だから、昨日の夜に話そうと思っててたのに、お前はのんきに・・・”


「ごめんごめん。まさかそんなことになっていようとは・・・でも、大丈夫だって。おれ、そこまでへましないからね??」


(まったく・・・こいつはわかってんのか?)



青波は忠告をした。

それでもこんなに余裕をかましてられる真太の気がしれなかった。
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