白銀に輝く空
□其の十五
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局長の言っている意味がわからない青波は、ますます首をかしげる。
「自覚…ってどうゆうことですか?」
再び問うた青波をみながら、近藤は苦笑しながら立ち上がった。
「そーだな。自覚なしか…」
立ち上がった近藤がこちらとの間合を詰めるのを青波はながめる。
近藤が目の前に座った…
かと思うと、抗う隙も与えずに青波をおしたおした。
「えっ…」
一瞬、なにが起きたのか理解できなかった青波は呆然とし、その硬直がやっとなくなったとき、腕も足も押さえつけられて身動きできないことに気づいた。
「局長…?なにを?」
近藤の行動の真意を図りかね、青波は困惑するばかりだ。
「花門、どんな気分だ?」
まだ混乱している頭に目の前の近藤がといかける。
「どんな…きぶん?」
考えれば考えるほどにわからない。
「率直にこたえろ。」
よく考えたらちょっと恥ずかしい格好なうえに、いつになく真剣な表情の近藤に早く答えなければとあせりだす。
「えと、えと、こわい…です。」
率直に、今しがた思ったことをそのまま口にする。