白銀に輝く空
□其の三
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あまりの急展開に口をパクパクさせるしかなかった青波の腕を引いて、兄という男は夕刻の薄暗い道をいそいそと歩いていた。
(待てよ・・・なんか勝手に話進んでないか?!俺の思考回路はまだおいつけてない!!しかも、展示じゃないだろ?!これ?!まさかあれか!!ドッキリか?!にしても、最近は簡単に人の性別まで変えられるのか?!ドッキリにもほどがあるってもんだぞ!!つか、どこ行くんだよ?!)
相変わらずのわちゃわちゃした思考のまま、兄に引きずられる態で一軒の少し大きめの家にたどり着いた。
どんどんっ
兄は少し強めに小さな木戸をたたいた。
「帰ったぞ。あけてくれ。」
しばらくして、可愛いかんじの女の人が木戸をあけて顔を覗かせた。
「お帰りなさいませ。あなた。あら、青くん、一緒だったのね。」
(せ、せ、せ、青くんっ!?)
あまりにもなれなれしいその呼び方に、青波は思わずひいてしまった。
「あら?どうしたの?」
その反応に気づいたらしい。
不審そうに可愛い人は眉を寄せて首をかしげる。
「そうなんだ。こいつ、さっきからおかしいんだ。明日は桂さんにいわれた重要な仕事があるというのに。。。」
カチコーンと固まった青波を中へ引っ張り込むと、男はその女の人にぼそっとこぼした。
すると、女の人は、一瞬、表情を曇らせて、ぱっと明るい表情に戻った。
「あらあら、大変じゃない。」
と青波の肩をポンポンと叩いた。
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