白銀に輝く空
□其の九
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アキの青波監察の報告は、毎日のように土方と沖田の二人にあげられていた。
報告では、日に日に、青波が布団にいる時間は短く、食も細くなる一方だ。
最初のうちは気にならない程度だったが、最近は目に見えて衰弱している。
こけた顔をしている割には努めて明るく笑っているのが分かる。
ここまでくると、アキ以外の同室の二人の青波の異常に気づいたらしい。
「なぁ、青波。おまえ、大丈夫か?」
青波のご飯の量を見ながら、とうとうフジが声をかけた。
「え??なにが?」
「とぼけんなよ。その飯の量、おかしいだろ。」
横からタキも口を挟む。
「ここんとこずっとそんなんだろ?今まで言わなかなかったけど、少なすぎだ。目に見えてお前痩せてるし…。」
「ダイエっ…最近太りすぎだから、減量してんだよっ」
「減量なんかしてどうする?こんだけ若いのに食わなきゃ、弱くなるだけだろ。」
あとから席についたアキが正論を述べる。
「…」
「お前、なんかあったの?そのやつれ方さ…心のほうだろ?」
「いや?別になんもないけど?」
「嘘つくなよ。」
「言ったらいいじゃん。」
タキとフジがぐいっと顔を寄せてくる。
「だから…なんにも…」
「お前ら、飯さっさとくえ、朝から見回りあんだから。」
「おい。心配じゃないのか?」
「心配に決まってるだろ。でも、井上さんにげんこつ落とされたくねー。」
「あっ。」
「やべぇ。」
その言葉を聞いて、二人ともいそいそとかっ込み始めた。