白銀に輝く空
□其の十
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キエにあって話したことで、青波の気持ちは少し軽くなった。
そこから、青波の不眠症はだんだんとましになり、最近では夜中に起き出すこともなくなった。
アキの報告も、もう大丈夫だと土方と沖田にあげられた。
「もう大丈夫なんでしょうかね…」
「それははっきりとは分からん、いつまた同じ状況になるかは…」
「次の斬り合いでまたぶり返すこともありますよね。」
「あぁ…」
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「最近、お前体調いいんんだな?」
朝ご飯の時間、アキが青波に声をかけた。
「え?」
「だってお前、この前までちょっとしか食えなかったじゃん。」
「あぁ…あれは…」
「あれは心配だったよなー。ほんと、いつぶっ倒れるか、気が気じゃなかったもんよ。」
「そういや、副長と沖田さんに呼ばれていった仕事のあとから、ましになったよな?なんだたんだ?あれ。」
「いや…あの…」
「あ、青波、米粒着いてる。ガキかお前は。」
口ごもった青波を助けるかのように、アキが青波のほっぺたに着いた米粒をつまみとった。
「ガキはおれよかフジじゃないか?」
「おれ!?タキもまぁまぁガキじゃないか?」
「お前いじょうのガキは居ないだろうよ。」
「なんだとこらーっ」
うまいこと話がそれたので、ほっとする。
(前にもこんな事あったよな…)
以前にもいちど、アキの発言のおかげで答えにくい質問を回避できたことがあったのを思い出した。
(アキ…なんか知ってんのかな…)
相変わらず誰がガキかのケンカをしているタキとフジをなだめるアキの横顔を青波は見つめた。