白銀に輝く空
□其の十二
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新撰組だとばれたとたんに振られてしまったあの祭り…
問題を起こした浪人たちは、噂のほら吹き侍だったらしい。
「やっぱりあいつら攘夷とは関係なかったそうだ。」
次の日の昼食。
四人ともそろったところで情報をもってきたアキが話し出した。
「でもあの辺じゃ、浪士も新撰組もうろうろしてっから、住人はたまったもんじゃないな。」
「攘夷浪士はぱっとみでわかんないしな。」
「新撰組だって、隊服着てなきゃただの浪人っぽいからな。」
「みわけなんかつかんから、嘘ついて金だまくらかそうって奴がいんだよな。」
うんうんと四人で頷きあう。
「ところで青波〜」
「ん?」
「お前、タヨちゃんから連絡とか来てないの?」
「え…なんで?」
急にフジが祭のときに青波と一緒だった女のこの名をだした。
「だってお前ら親密そうだったし。」
「そうそう、みんな行っちゃったときもあの子だけ残念そうに振り返ってたもんな。」
「なんだよタキまで…」
「ほんとになんもないのか?」
「ないない。あの子がおひとりでこんなとこに来るはずもないし、屯所に文なんか出さないって。」
「ちぇ…つまんね。なんかあったら教えろよ。」
「わかってるよ。」
しぶしぶ頷いて席を立つ。
「ごちそうさま〜」
そのまま四人それぞれの隊の仕事についた。