白銀に輝く空
□其の十五
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「青波!」
土方と沖田の糾弾のあと、そこから抜け出せた青波はホッと胸をなでおろしていたが、副長室からでたところをアキに捕まった。
「なに?」
ため息をついた後、青波はアキの方を振り向いた。
「なに?じゃねーよ!おまえ、やっぱなんかあったんだろ?だから今の今まで、副長によばれてたんじゃないのか?」
大分とカッカした様子でアキが青波の腕をつかむ。
「なにもないって!」
掴まれた腕を振り払って、青波も剣のある声をだす。
「嘘だな!」
「ほんとだよ!」
「じゃ、なんで副長に呼ばれて帰ってこないんだよ?!」
「うっせーな!アキに関係ないだろ!」
全力で怒鳴ったところで、アキの表情が変わった。
「関係ない?」
しまった、と青波は思ったが、もう遅かった。
「そーかよ。」
そういうと、アキは青波を突き飛ばして行ってしまった。
よろめいた青波はアキを呼び止める事もできず、立ち去っていく背中をみつめた。
そのまま壁に背中をあずけてズルズルと尻餅をついた青波は、ぐっと唇をかみしめた。
(あー…やっちまったなー…)
副長も沖田も、アキも心配をかけた自分が悪いのはわかっていた。
でも、巻き込んだら三人はもとより、タヨに危害が及ぶかもしれないとん考えたら、自分の怪我のことは出来るだけ伏せておきたかった。
「なんでだよー…」
大きなため息とともに、小声でこぼした途端、青波は涙を零した。
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