白銀に輝く空
□其の二
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人形とはいいがたい、やけに息づいた数多の目がこちらを見下ろしていた。
「え・・・?」
一瞬目を疑った・・・が・・・
「貴様!何者だ!新選組の手のものか!?」
刀を青波に突きつけている侍が頭ごなしに怒鳴った。
「は?」
人形が話すのだろうか、とまた耳を疑った青波だが、、、
「答えろ!何者だ!!」
脇のもう一人がまた声を発したころで、どうやら耳はおかしくないのだと確信した。
(じゃぁ、目がおかしいの?)
まだチンプンカンプンで頭がついてこない。
「答えろ!!」
刀をもった侍が、さらに一歩近づいて問詰めてくる。
「ちょっ待ってくださいよ。なんなんですか??」
先ほどかんたんにさっくりと指を切った刃物が目の前の顔まであと数センチのとこまできたので、とりあえず、何か言おうと、質問する。
「訳のわからないことを・・・っおまえは何者かと聞いているのだぞ!!」
ちゃんと質問に答えなかった青波に苛立ち、さっきの脇の侍がこんどは刀を抜いた。
(やべっ二本に増えたっ)
うっと首をすくめて、
「何者かと聞かれましてもですね・・・名前を答えろってんなら、いいですよ?自分は・・・」
そこでなんとか切り抜けるには名を名乗るのがいいらしいと頭が判断して、まさに名を言おうとしたそのとき・・・
「すまぬな。そのものは私の客人だ。」
穏やかな声がふすまの開く音とともに、青波の周りで息巻くものたちにかけられた。
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