白銀に輝く空

□其の七
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「花門、入るぞ。」

今度は土方の声が聞こえた。

「どうぞ・・・」
(なんで入れ替わり・・・)


「おう。どうした?傷の具合でも悪いのか?」

「いや。。。まだ完治はしてませんが、大分よくなってます。」

「そうか。風邪のほうはどうだ?」

「大丈夫です。」

さっきの沖田とさほど変わらない会話を交わす。

(いったいなんなんだよ・・・この人達は・・・)


「近藤さんもな、見舞いに行くと言っていたんだが・・・忙しいらしくてな・・・」


「そんなっ局長に来ていただくほどのこともありませんからっ」

「あぁ、まぁ、そう伝えておく。」

「あ、すいません。」

「いや、かまわん。・・・」

「・・・」

「花門。」
「はい?」

「沖田から聞いたが・・・お前、人が斬れないのか?」

「・・・はい。まぁ、そうです。」

「そんなんでここではやっていけないぞ。」
「わかってます。でも、復帰したら、もうそのことは忘れようと思います。」

「忘れる??」

「はい。」
「克服するってことか?」

「いいえ。克服はできないと思います。でも、人を斬れるようにはなります。」

「・・・そうか。」
「はい。」


土方がまっすぐ青波をみる。


「・・・?」

「そういえば・・・沖田も頻繁に見舞いに来てるらしいな。」

「え、あ、はい。」

(あんたと同じ頻度だよっ)


「なんか言ってたか?」

「なんかって・・・?沖田さんも同じようなこと聞いて行かれましたけど・・・」


「沖田も同じ事を??」
「はい。」


「そうか・・・。」


ふと考えるような様子を見せる土方。


(なに??)


「まぁ、いい。お前は早くいろいろ治せ。さっさと復帰してもらわんと困る。」


「はい。」

「じゃあな。」
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