白銀に輝く空
□其の八
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「青波。青波。」
遠くで呼ぶ声で目が覚めた。
「…?」
「おはよう。」
目を開くと、沖田がとびきりのほほえみをこちらに向けていた。
「沖田さんっ!?」
がばっと起き上がると、沖田は青波の身体を軽く押さえた。
「いいよ。そんな飛び起きなくて。身体はもういいの?」
「あ、や、もうしばらく安静が必要だそうです。」
「そっか。じゃ、大人しくしてないといけないね。」
「はい。」
治りかけてたとこだったのにね。
と爽やかに笑う沖田…が、その顔がすぐに曇った。
「?」
「大丈夫?お兄さんのこと。」
聞かれた瞬間、青波は顔が硬直しそうになった…が、なんとか持ちこたえて、口角をむりやり引き上げた。
「大丈夫です。前にも約束したでしょう?必要とあれば、兄を斬るって、言ったじゃないですか?」
「…。」
じぃっと沖田はその青波の笑顔を見つめる。
「そう…。無理しないでね。」
「大丈夫ですよ。これでもそれなりの覚悟は出来てるんですよ。」
「分かった。じゃ、心配はしないよ。早く治しなよ。」
「はい。ありがとうございます。」
青波がお礼を言うと、にこりと笑って、沖田は部屋から出て行った。