白銀に輝く空
□其の十
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次の日、青波はアキと二人きりになった時を見計らって声をかけた。
「アキ、ちょっと聞きたいことあんだけど…」
「ん?なに?」
昨日一日、青波はアキの言動を監察していた。
何かにつけて青波を助けてくれていたし、青波が答えにくい話になったときはきまって話をそらしてくれる。
そしてほんの一瞬だったが、稽古の合間に抜けて、何処に行ったのかと少し追ってみたら、沖田と親密そうに話していた。
「あの…さ…」
「ん?」
「アキって、俺のこと、なんか…その…知ってる?」
言葉を選んで、なんと言えば分からなくなり、よく分からない質問になってしまった。
「え?俺が青波のことを知ってるか?もちろん知ってるけど…?」
「いや、あのそういう事じゃなくて…」
わたわたとする青波をアキは目を細めて見つめる。
「なに?」
「や、だから・・・その…」
「後藤は俺たちに言われて、お前の監視役をして貰っていたんだ。」
突然、青波のうしろから声がかかった。
「副長!?沖田さん!?」
振り向くと、そこにはおなじみのお二人がたっていた。
「え?え?え?」
土方、沖田とアキを青波は交互に見比べる。
「人を斬った青波は具合が悪くなるからね。後藤に頼んで様子を見て貰っていたんだ。さすがに僕たちがつきっきりで一緒に居るわけにも行かないからね。」
「そういうこと、だから俺はお前の出身も知ってるし、お兄さんのことも知ってる。」
「花門のことは全部そいつに任せていたからな。」
「へ、へぇ〜」
(アキが、俺の監視役だったなんて…)
大分驚いた。
(じゃ、夜に抜け出して吐いたり、泣いたりしてたこと…アキは全部…。)
「ちなみに、夜に青波が抜け出してなにやらしてたことは、全部あがってきてるからね。」
「あ…そうなんですか…」
思わず苦笑した。