白銀に輝く空
□其の十三
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青波がタヨに告白されたあの瞬間。
アキは青波を迎えに、すでにあの場所に到着していた・・・。
向こうから手をつないでやってくる青波とタヨにアキは(おぉ、仲むつまじいこと…)
と暖かい視線を送っていた…だが、近づいてきて分かったのだが、青波の様子がおかしい。
明らかに焦っている。
(なんだ?)
声をかけようとした瞬間。
青波はタヨに惹かれて小道に引っ張り込まれた。
(え…まずいんじゃねーの?)
慌ててそちらを伺う…
見れば、タヨが青波の胸元に顔を埋め、青波はたじたじになって…
「…すきになってしまいました。」
と聞こえた。
(ほんとかよっ!?)
思わず声が出そうになって口を押さえた。
そのまま観察していると、青波は歯切れ悪く答えはまだ出せないという…
対するタヨはなおもすり寄って…
「…試しに…」
(試しにつきあえって言われてんのか?どうすんだよ?青波…)
見守っていると…なにやら青波がもごもごと呟いて、タヨはぎゅっと青波に抱きつくと、なにやら叫びながら走っていった。